初めてY木さんが初級クラスを指導することになったこの日、オレは改めて佐竹道場の結束の強さを実感した。
「初級クラス」のはずが白帯から茶帯までみんな集合。
Y木さんの新しい挑戦を盛り上げようという優しい愛情が道場中に溢れていた。
19時、稽古開始。
普段の1.5倍早口なY木さんを盛り上げようとみんないつも以上に大声を出す。
「寝技の稽古から来るから。顔出さないから」と言っていた総長もY木さんにプレッシャーをかけないように優しく見守る。
オレもY木さんガンバレ!という思いのせいか、いつも以上に細心の集中力と全開の気合で基本を行う。結果、なんか調子がいい。おお!?なんだこりゃ?
22時30分 稽古終了。シャワー故障。
受付のI口さんと楽しくお話してから一番へ。
22時45分 一番到着。
いつもの常連さんの黄色い車があったのに、中に入るといない。
てっちゃんまで「あれ?白石さんいたんすか?」等と言う。
さみしい・・・。
タッチーをメールで誘う。
「もう布団の中。稽古おつかれ」とのつれない返事。
続いてマスパンさん。
来てくれるらしい。
おっしゃ。
前述の常連さんはどうもよそへ出張中らしい。
てことは・・・大体他の常連さんたちも一緒か。
23時50分 マスパンさん到着
話題はマスパンさんのちょっとした恋の予感へ。
W「さぬきうどんのコシがすごいってのは御存知でしたか。」
M「ええ、職場の方とよく食べますんで。」
W「で、この前のどうでした?」
M「うまかったっす!」
W「スピリタスが世界で一番強い酒だと言うことは御存知でしたか?」
M「はい。」
W「で、実際飲んでみてどうでした?」
M「なんていうか・・・染みましたね。」
W「ええ、そうですね。強い酒、とだけは知っていても染みる感じとか、注射みたいなにおいだとかは飲んでみないとわからないんです。」
M「ええ。」
W「だからね、実際つきあってみないとその子が馴れてるかどうかなんてわからないんですよ。」
M「はぁ〜そのための前振りだったんですか。」
W[・・・案ずるより・・・うむをいわさず(以下略)」
1時 常連さんたち帰還
「のび太の海底鬼岩城でのバギーちゃんがくれた感動としずちゃんの誤算による犠牲」
「のび太のパラレル西遊記での不思議なまでの恐怖」
「悟飯をかばったピッコロは実は腕を伸ばせばよかった」
「WHITEのグラサンをかけたマスパンさんはキアヌ・リーブスに似てる。」
「マスパンさんのメガネをかけたWHITEは、イラっとくる。」
以上の点について熱くトーク中、過去最高に不機嫌な常連Sさん登場。続いてKさんYさん。
詳しくは書けないけどかなり色々あったらしい。
普段ならこのまま閉店時間無視でダラダラいきそうなところだが、今夜は業者さんが来るとの事で2時前解散・・・しないの?
2時 歩いてすぐの居酒屋さん、「はなはな」到着。
またまたここでゲストが新しく加わり6人で2件目。
先に入ったはずの二人を追って来たのだが、お店の前には「本日貸しきり」の表示が。
あれ?じゃぁどこ行ったんだ?と困惑しているときお店の中から白衣のお兄さんと・・・なんか見覚えがあるマスクマンが・・・ってちょっと待って!?
オレを正道会館の指導員の頃から知っている方なら、オレが住吉支部の指導帰りに毎週土曜日フェスティバルゲートのデルフィンアリーナに大阪プロレスを観に通っていた事を御存知だろう。
なんと目の前に唯一オレがデビュー戦を見たことのあるプロレスラー、タイガースマスクさんが立っていた。
興奮したオレはしどろもどろになりつつ一気に喋りまくった。
主戦場を京都に変えて2年。
もうだいぶ長い事観に行けてないが、毎週雑誌では欠かさずチェックしていた。
毎回の様に買い漁っていたTシャツは今でも愛用して・・・って今日着てるじゃん!!
しかも2周年記念のごっつ懐かしいやつ!
お見送りに出て戻ってこられたところに声をかけさせて頂きTシャツをお見せすると、オレ以上に懐かしそう。
そういえばデビュー前、全試合終了後に足が不自由なKさんというファンを誘導していた彼はいつもこれを着ていた。
いやもう本当にありがとうございます。
楽しかったぁ〜!
マスパンさんと共に帰り際にチケット購入。記念撮影とお見送りまでして頂いた。
ここでお兄さんが働いておられるとのこと。
いや散々通ってる一番から歩いて一分のところにこんな出会いがあるなんて・・・。
おもしろいよね、人生は。
お店を出るときに一本の電話が。
「みんなどこおんの〜?」
よっちゃんさんだ。
「今からお店出るトコです!前に来てください。みんなびっくりしますよ!」
てなわけでよっちゃんさん合流。
あ、お店の中でのみんなの事に全く触れてなかった。
・・・触れなくていいか。書けない事ばっかやし・・・簡潔にまとめよう。
1、前に座ったお嬢さんは二人ともタイプは違うがオレ的にドストライクだった。
2、Kさん珍しく寝なかった。
3、てっちゃん・・・再確認した。いい人!!
4、チヂミうますぎやろ!!
5、Kさん、現タッグ王者に「白石君の方が強い」とか言うのやめてください。
3時30分 王将到着
一度帰宅したはずの二人も
「家のカギない」
「チャリない」
と再合流し、けっきょくまた元の顔ぶれになり王将へ。
ゼーレのナンバー04になりつつ朝まで語り明かして最後はあまりよく覚えていない。
ごみ箱に頭突っ込んでいたあたりからなんとなく
「あれ?なにやってんのオレ・・・」
と目が醒め始めた。
頭が逆さになったのがよかったのかな?
5時30分 解散
オレとしてはそのままもう一軒行きたかったが、さすがにムリだった。
そして帰宅途中、強烈な睡魔が!
やばい・・・。
河川敷にバイクを止めてバイクの上で熟睡。
あー・・・気持ちいい。
起きてみると世間はオレのことなんかほっといて忙しそうだ。
急いで走る車たち。
道を外れて川原でまったり。
いやなんかもう・・・今夜の出来事を象徴するような光景だった。
さて・・・帰るか。
不思議な夜だったなぁ・・・。
たまたま夜勤がなかった。
たまたま待ち合わせもせずにお店に親しい面々が集まっていた。
たまたまその人達がよそへ行き、オレが着いた時には誰もいなかった。
たまたま一人だったのでマスパンさんをお招きした。
たまたま他のみなさんに事件が起きた。
たまたま一番に業者さんが来る日だった。
たまたまてっちゃんと飲みに行くはずのまさおさんが音信不通だった。
たまたま2件目のお店にタイガースマスクさんが来られる日だった。
たまたまオレが大阪プロレスのファンで、Tシャツまで着ていた。
たまたまよっちゃんさんが通りかかった。
たまたまKさんが家のカギをなくした。
偶然がここまで続くとこんな濃い夜が生まれる。
いや、これは偶然というより・・・縁・・・だね。
あれ?
誰か忘れてるような・・・
あぁ、あいつだ。
「たまたま今夜は夜更かししていた」って偶然が起きない超精密おやすみタイマーを持つあいつだ。
さて、誰の事でしょう?
ーチッタ え答


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