★春過ぎて、夏来たるらし、白NOVAの〜
晶華「ハイラスおじさん、遊びに来たよ。NOVAちゃんも一緒だよ〜」
NOVA「おお、ハイラス。平成以来だな。令和でも元気にやってるか」
ハイラス「元気も何も、私は目下、リュウソウジャーを見て激怒しているでござる!」
NOVA「は? 何で、激怒する必要があるんだ?」
ハイラス「曲がりなりにもドルイドンを名乗る組織。もっと、自然や調和を大切にする集団かと思いきや、人類を根絶させての地球侵略など愚の骨頂。もっと人と自然に優しい、パーフェクトでハーモニーな侵略活動を求めるものでござる」
NOVA「まあ、俺もリュウソウジャーには当初の期待がずいぶん外れたなあ、と思っているんだがよ。もっと、こうファンタジーで、いかにもRPGって感じの壮大な王道物語を想像していたんだが、結構、俗っぽくて軽いというか、方向性は昔、カクレンジャーを見たときの気分だな、と思ってる」
晶華「カクレンジャーって、元祖忍者戦隊よね。NOVAちゃんは、カクレンジャーが嫌いなの?」
NOVA「いや、嫌いというか、忍者という単語から想像したイメージとは違ってな。まあ、当時はパワーレンジャーがアメリカで流行していたこともあって、ポップな忍者というかアメコミ風の演出が多用されて、伝統的な忍者とは違った方向の作品になっていたんだよ。要は、シリアス風味を期待したら軽すぎた。当時は、西洋ファンタジーなジュウレンジャー、中華風のダイレンジャーと来て、和のテイストのカクレンジャーの流れだったから、キタコレと思ってみたら、無敵将軍のデザインと紙芝居風な講釈師ナレーション以外には、ほぼ和のテイストはなし。おまけに敵の妖怪も伝統的なデザインの再解釈で、おまけに幹部の貴公子ジュニアなんて、パンクロックのファッションだぜ。このセンスには正直、付いていけないと当時は感じた」
晶華「そんな風にカクレンジャーをDisって大丈夫?」
NOVA「あくまで20年以上も前の感想だ。今は、伝統にあぐらをかかない東映の姿勢を評価しているさ。ただ、俺は気質的に伝統重視な保守派だからな。新機軸に対しては、すぐに感情的には受け入れられないことも多いんだ。カクレンジャーよりは、その後のハリケンジャーやニンニンジャーの方が、割と伝統的な和のテイストを組み込んでいると感じたな。もっとも、戦隊で和と言えば、侍戦隊シンケンジャーが至高だと考える次第」
晶華「だけど、そんなカクレンジャーを見続けた理由は何?」
NOVA「ケイン・コスギのジライヤが好きだったのと、無敵将軍の火炎将軍剣のビジュアルの格好よさだな。シリーズ通して見たり、後から振り返ると、花のくノ一組とか、矢尾一樹声のニンジャマンとか、当初は頼りない印象だったニンジャレッド・サスケの主人公としての成長とか、戦隊初の女リーダーとしてのニンジャホワイト鶴姫の歴史上の意義とか、いろいろ良かった点を語れることもあるし、リアルタイムの感想が視点の変化で再評価に至ることもある。あと、俺が求めた和のテイストや忍者要素は、30分前に放送していたGガンダムが適度に満たしてくれていたからな。Gガンダムで燃えた後に、カクレンジャーにつなげる流れが俺の94年の金曜夕方タイムだった」
ハイラス「カクレンジャーはこの際、置いておいて、目下の問題はリュウソウジャーでござる」
NOVA「分かったよ。じゃあ、今日はここまでのリュウソウジャー感想だな」

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