★アスト復帰
アスト「ふう、なかなか酷い目にあったぜ」
ダイアンナ「ゴブスレ対決のGM役、おつかれだったな。しかし、
まさかサイコロに魂を封印されるとは思わなかったぞ」
アスト「いや、オレは封印されたなんて覚えはないんだが」
ダイアンナ「何? するとサイコロになって、出目を調整してアッキー様を支援したという話は?」
アスト「それってズルじゃないか。とにかく、オレにはサイコロになっていた記憶はない。おおかた、ノヴァストラダマスが適当な話をぶち上げ、それを真に受けたアッキー様がダイス目に意思があるかのように思い込んだだけ。そう考える方が合理的だろうがよ。大体、このオレがサイコロになるなど有り得ん」
ダイアンナ「いやいや。メガネに思念が宿る世界があるのだから、サイコロに思念が宿る世界があっても不思議じゃないと思うのだが。六面戦隊ダイスレンジャーとか、ダイス怪人20面相とか」
アスト「それはともかく、今回のゴブスレ対決の結果、オレに新たな目標ができた」
ダイアンナ「何だ、それは?」
アスト「一つ。このオレを散々翻弄した悪霊ノヴァストラダマスをぶっ潰す。一度は翔花ちゃんを餌にされて、誘いに乗ってしまったが、あいつは単に憑依できる体が欲しかっただけ。オレの翔花ちゃんに対する熱い願いを満たそうなどとは考えてもいなかったんだ。NOVAの言い分じゃあないが、悪霊との契約ではWinWinの関係は望めない。そうと分かったら、あの悪霊野郎はオレの敵だ。決して許せねえ」
ダイアンナ「そんなことは最初から分かっていたじゃないか。他人を支配して、どうこうなんて言い出すようなのはロクな奴じゃないってのは、分かりきったこと」
アスト「過ぎたことを悔やんでも意味はない。二つめの理由として、悪霊退治は花粉症ガールの使命。だったら、花粉症ガールのファンであるオレとしては、悪霊退治の助けになるようなことをしないとな。
「大体、このオレがストーカー呼ばわりされるのも、花粉症ガールの使命を助けずに、花粉症ガールを追っかけるだけで、自分の方を見てもらおうとばかりしていたからだ。そう、アイドル活動を邪魔するようなファンはファンの風上にも置けねえ。本当に翔花ちゃんのことを大事に思うなら、翔花ちゃんを追いかけるのではなく、翔花ちゃんと同じ使命を我がものとし、人の平和を脅かす悪霊退治の助けになるようなことをしないとな。そうとも、これからの俺は花粉症ガールのストーカーではなく、しっかり支えるサポーターでいよう、と心に決めたんだ」
ダイアンナ「おお、アストが何だか光り輝いて見える。それでこそ、あたしが見込んだ男。マーキュリー・バットのリーダーたるA(エース)の心意気だ」
アスト「ちょっと待て。リーダーはクイーンのお前か、もしくはアッキー様だと思っているんだが。オレはリーダーの器じゃねえよ」
ダイアンナ「いいや、リーダーはお前だよ、アスト。ジャッカー電撃隊のリーダーがスペードAであるように、元タイムジャッカーのリーダーはスピードAを置いて他にない。たとえ、行動隊長の白い男が司令役を務めていたとしても、タイトルロールの主人公は赤い男なのだ」
アスト「リーダーね。だったら、チームの意思決定ぐらいはしてやってもいいが、細かい仕事はサブリーダーのクイーンに任せた。これでいいんだな」
ダイアンナ「ああ。チームができた時から、お前をフォローするのが、あたしの仕事だからな」
アスト「……サンキューな」

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