★眠りの呪文の話
NOVA「さて、前回の記事は、実に混沌に満ちたもので、最後は涙を流さずにいられない感動的な末路を迎えたわけだが……」
アスト「お前一人で感じ入ってるのを、感動的とは言わん。聞いてるオレたちや読者の皆さんが置いてきぼりだったじゃないか」
NOVA「誰か、俺に情緒不安定にさせる魔法でも掛けたのだろうか?」
アスト「お前が勝手に自己暗示に掛かって自滅したんじゃないのか」
NOVA「正に『自滅のヤバイバ』ってところだな」
アスト「鬼滅に絡めて、意味の分からない親父ギャグを言ってるんじゃねえぞ。今度は脱線せずに、呪文の話をしろよ」
NOVA「では、アスト君に質問です。クラシックD&Dで1レベル魔術師に推奨されている呪文は何でしょう?」
アスト「クラシックか。だったら、リードマジックの他には、スリープ、チャームパーソン、マジックミサイルの3つだな。赤箱ユーザーなら、基本中の基本だと思うぞ」
NOVA「そうだな。しかし、パグマイアには、そのうちマジックミサイルしか存在しない」
アスト「スリープや、チャームパーソンはネコ用の魔法か?」
NOVA「そう思って、マンサーの呪文リストをチェックしてみたが、どっちもなかった」
アスト「何だと? クラシックD&Dで定番の呪文なのに、犬も猫も覚えないだと?」
NOVA「厳密には、チャームパーソン(魅了)はマンサー(呪術師)ではなく、いわゆる僧侶系のミニスター(説法師)の呪文になっていた。ミニスターの主要能力値は魅力と耐久力で、まあ、こちらが魅了の呪文を使うのも納得と言えば納得なんだが、それにしても不可解なのは、スリープの呪文が完全に見当たらないということだな。D&D由来のゲームなのに」
アスト「スリープの呪文がないと、何だか寂しい気持ちになるな」
NOVA「お前もそう思うか。お前とは美味い酒が飲めそうだ」
アスト「一人で飲んでろ。オレはお前と酒なんて飲みたくねえ。翔花ちゃんに誘われたら、喜んで飲みに行くけどよ」
NOVA「翔花は未成年だ。2歳半の娘が酒など飲むか」
アスト「肉体年齢14歳だから問題ないだろう」
NOVA「それでも問題大ありだ。まあ、ゴブスレRPGなら、真言呪文のスリープの他に精霊術のドランクで、酒精の力で眠らせることが可能なんだが」
アスト「原作で鉱人道士のおっちゃんがよく使う術だな。そう言えば、お前のソード・ワールドのプレイで気になっていたことが一つ。どうして、お前の魔術師は『スリープ・クラウド』を使わないんだ?」
NOVA「使えねえんだよ」
アスト「何だと? 初歩の呪文なのに?」
NOVA「旧版では1レベル呪文だったが、2.0版では6レベル深智呪文に格上げになっている」
アスト「たかが眠りの呪文が6レベルだと? 知らなかった」
NOVA「一応、対単体呪文として真語魔法2レベルに【スリープ】があったんだが、2.5版ではより弱体化して、うたた寝程度の【ナップ】に置き換わった。とにかく、今のソード・ワールドでは、相手を眠らせる戦術があまり使われていない」
アスト「フォーセリアと違って、ラクシアは眠りの魔法が扱いにくいわけか」
NOVA「一方で、ロードスの方は新ルールになっても、【スリープ・クラウド】が有効で、最新リプレイでも大活躍だったわけだ」
アスト「眠りの魔法を愛する者は、ロードスへってことだな」

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