@馬に生まれ変わりて
アスト馬「ヒヒーン」
ダイアンナ「あれから2週間以上が経つが、こいつはまだ馬のままか」
リバT『一向に、元に戻る様子がありませんね』
ダイアンナ「大体、どうしてこいつは人を捨てて、身も心も馬になってしまったんだ?」
リバT『そりゃ、クイーンが命令したからじゃないですか?
「そんなに馬が好きなら、あたしこそアストに命ずる。お前こそ馬になれ!」って』
ダイアンナ「そんなことで普通、馬になったりはしないだろう? 沙織お嬢さまに命じられたユニコーンの邪武ならいざ知らず」
リバT『ペガサス星矢は馬になることを拒否しましたね。ただ、射手座のゲシュタルトという昔の黄金聖闘士は、愛馬ターニャが好きすぎて人馬一体になったと聞きますし、シンカリオンZに今度登場したダークシンカリオンも人馬形態があるようですし』
ダイアンナ「人馬形態ならまだいいんだ。上半身が人だから普通に喋れるし。仮に下半身が馬でも、記事書きするには支障ない。姿の見えないセリフだけの記事なら、読者の皆さんはアストの下半身が人だろうが、馬だろうが、魚だろうが、気にしないだろう。見えていないんだし」
リバT『アストさんが人魚になったら、私めは気にしますがね』
ダイアンナ「そりゃ、あたしだって気にするが、読者視点だとどうでもいい話だ。しかし、今のままだと読者も気になるだろう? 何しろ、こうだからな。おい、アスト」
アスト馬「ヒヒーン」
ダイアンナ「さすがに、これでは会話が成立しない。あたしには馬の言葉が分からないんだからな。言霊魔術師のダディーや、次元ドルイドのハイラスだったら、馬の言葉だって魔法や特技で分かるのかもしれないが」
リバT『アストさんとハートが通じ合っているクイーンなら、愛の力で分かるんじゃないですか?』
ダイアンナ「リバT、愛など幻でしかないのさ。愛があれば、相手が馬になっても言葉が分かると言うのか? 有り得ない。愛があっても、馬の鳴き声はヒヒーンにしか聞こえん」
アスト馬「ヒヒーン」
ダイアンナ「ヒヒーンだけで会話を通じ合わせようというのは、ハーイ、ちゃーん、バブーの3語は喋れるイクラちゃんを相手にするより難しい」
リバT『ポケモンのピカチューや、現役プリキュア妖精のクルルンぐらいの難易度ですかね』
ダイアンナ「せめて、イエスかノーの2択ぐらいは意思疎通できるようにしないとな。おい、アスト。あたしの言っている言葉が分かるか?」
アスト馬「ヒヒーン」
ダイアンナ「今のはイエスと解釈しよう。アスト、お前はこのまま一生、馬の姿でいいのか?」
アスト馬「ヒ? ヒヒーンヒン」
リバT『首を必死に横に振っているところから察するに、今のリアクションはノーみたいですね』
アスト馬「ヒヒーン、ヒヒーン」
ダイアンナ「2回いなないているのは、意思が通じて喜んでいるのだな。だったら、悲しみの鳴き声は?」
アスト馬「ヒ? ヒーンヒーン(涙目)」
ダイアンナ「うむ。こちらの言ってることは分かっているようだな。たぶん。それでは怒りの鳴き声は?」
アスト馬「ブルルッ!」
ダイアンナ「おお、鳴き声のヴァリエーションが増えた。恐れているときは?」
アスト馬「ブルブル」
リバT『よっしゃラッキーって言いたいときは?』
アスト馬「ヒ? ヒヒーン、ヒヒーン、ヒヒヒヒヒン」
ダイアンナ「ふむ。思ったよりも意思疎通はできるのかもしれないな。このままでもいいのかもしれん」
アスト馬「ヒ? ヒヒーンヒン。ヒーンヒーン(涙目)」
リバT『ノーと訴えて、悲しんでいるようですね。大体、この状態だと、アストさんがクラシックD&Dの解説役をできなくて、記事書きに支障が出るのは明らか。読者の皆さんだって、別に馬語の講座が聞きたいわけではないでしょうし』
ダイアンナ「ああ。何とか、今回の記事で、アストを馬から人に戻す方法を見つけないといけないな」
アスト馬「ヒヒーン」

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