少し前にもらったメールで、こういうリクエストを受けとった。
「次はイモータルの能力や生活について解説してもらえないでしょうか」
一応、その前につながる文章で、ここの記事を読んでいることを示して、こちらの書いたことを短くまとめてくれている。うん、それはいい。相手の説明をまとめて、自分の理解を示すことはコミュニケーション作法として間違ってはいない。
でも、問題はその後だ。「いろいろ懐かしいです。次は……」と、先ほどのリクエストに続くわけだ。
自分が割と頑張って、イモータルのことをあれこれ調べたことに対する感想(自己主張ではそこが大切だと思うのだが)が、たったの一言、「懐かしい」で終わるわけだ。
何というかな。相手の言ったことをまとめただけで、自分が何かを主張した気になる人なのかな。
この人は昔、掲示板でのやりとりでも、「相手の言ったことを繰り返すだけで、それが自分の意見であるかのように振る舞う。そこに何かを付け加えるようなことをしない」書き込み姿勢を問題にされたことはあったのだが。
小学生の読書感想文でありがちだけど、「延々とあらすじ書いて、自分の感想はわずか2、3行」。いや、まだ、2、3行ならマシなんだ。「懐かしい」なんて、たったの4文字なわけで。
まあ、そこで話が終わりなら、ああ、懐かしがってくれたんだな、で、こっちも片付ければいい。
元の文章自体、こっちが好きで書いたわけだし、別に彼のために書いたわけじゃない。
問題は、その後に「次は……」と言って、さらなる要求、しかも難題を突きつけてくる姿勢だ。何様のつもりなんだろうね。
いや、リクエストされることはいいんだけど、そういう要求を人にするなら「書いたものに対する心理的報酬」のことも考えて欲しいんだよ。コミュニケーションを円滑に保つためにはな。
具体的には、「相手の意見をまとめる」ことは自分の理解度を示す前置きでしかない。そこからが本当の感想とか、自分の意見の提示なのに、そういう文章が書けない人なんだなぁ、と改めて理解した。
厳しい言い方をすれば、中身がないので話を膨らませることも、広げることもできないで、上っ面をなぞることしかできない。
それ以前に、この人の腹立たしいのは、リクエストに応えて、こちらが何かを教えてやった後に、「ありがとう」の一言もない、というか、自分のリクエストした件に関して、きれいさっぱり忘れるところがあって、それでも刹那的にリクエストを続ける悪癖があるんだな。
「お腹減った→はい、ご飯どうぞ→ありがとう」子供でもこれぐらいのコミュニケーションは取れるのに、
「お腹減った→はい、ご飯どうぞ→食べた。次は、食後のデザートだ→はいはい、分かったよ(図々しい奴だな)→食べた。次はコーヒーまだ? のどが渇いたんだけど」
この人とのメールは割とこういうことの繰り返しだ。これだと、流石に料理が好きな人間でも、この人相手の料理はしたくない、と愛想を尽かすだろう。
自分が望むのは、この二つだな。
「お腹減った→はい、ご飯どうぞ→おお、結構おいしい。じゃあ、お礼にさっき買ってきたデザートがあるんだけど、一緒にどうだい→あ、それいいね。気が利くやん」
「お腹減った→はい、ご飯どうぞ→ありがとう。今度、自分でも料理してみるよ。素人は何から始めたらいい?→まずは卵料理だな→卵かあ。ハムエッグぐらいなら何とかなるかな。もっと難しいのは料理の本でも買ってみるか。→おお、本格的に挑戦する気満々だね。料理仲間が増えたら嬉しいよ。何か、いいレシピ見つけたら、こっちにも教えて欲しいな→分かった、まずは今夜の料理に乾杯。これぐらい美味しく作れたらいいなあ」
料理の例えはこれぐらいにして。
まあ、それでも、自分はメールで真摯に答えてやったよ。不毛だと知りつつな。
ただ、自分の書いた同じ文面を、ここでも書き記すことにする。二度手間にはなるが、書いたものを不毛にしないために、より多くの人の目に触れるようにな。相手の書いた文章じゃなくて、俺の書いた文章をさらすんだから、こういうのはマナー違反じゃないと断定する。

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