飲み会を終え、最終電車に乗ったはずのお餅様が、帰って来ない。。。。。
どうしたんだろう。。。
…と心配していたら、夜中の2時頃にお餅様から電話がかかってきた。
「お母さん。こんな時間になっちゃってゴメンね。今、山の中を歩いてるんだけど、どうしよう。怖い。」
との事。
…ん?(・_・;)
なぜ山の中にいるの!?!?(°◇°;)
うちに帰って来る途中に山道なんて無いんですけど?????
…どういう事かと言いますと。
ダイエットも兼ねて、酔いを冷ましながら歩いて帰ろうと思い立ったお餅様。
グーグルマップで「徒歩で歩けるルート」を検索し、家まで徒歩2時間くらいという、いつもと違う駅で降りたのだそうな。
グーグルマップとは、地図が見られたり、カーナビのように現在地を確認しながら道を案内してくれる機能がある、携帯のアプリ。
それを頼りに歩いていったら、山の中の登山道に来てしまった…という事らしい。
それにしても、こんな夜中に山の中!?!?
危なすぎるよ!!!((((;゚Д゚)))))))
お餅様の歩く山道は、街灯も何も無く、木が覆い茂って月明かりも見えないんだとか。
そこで携帯のライトで足元を照らしながら歩いていた。
登山道なので舗装もされておらず、車が入れないような細い道。
ガードレールなども無く、道の下に川か谷がある様子で、川の音が聞こえてきているという。
(携帯ごしにも、川の流れる音が聞こえる。)
しかもお餅様の携帯の充電があと少ししか無いので、緊急用の電池式充電器に繋いで電話している状態。
もしも電池が無くなったら、真っ暗闇だし、現在地も分からなくなるから、動けなくなる。
(~_~;) これは…、遭難しかけている…という事…かな。。。。。
コラー!!!
お餅様、なんでこんな夜中に山の中を歩いてるんだ!
山を甘く見たらダメよ!
野生動物に遭遇したらやられるよ!
谷へ落ちたら大事故よ!
それに遭難したらそれはそれは大変な事になるのよ!
今来た道を引き返しなさい!!!
…な〜んて言ってももう遅い。
お餅様はもう引き返すのも危険なくらい、山の中を歩いて来てしまっていたのだった。
とりあえず、お餅様の携帯の電池も少ないので、電話は切ってメールにする事に。
普段は暗闇を怖がらないお餅様だけれど、今回ばかりは怖いらしく、お餅様から頻繁にメールが届く。
「暗闇だよ。闇に飲まれそう。」
そして山道で写した写メが送られて来た。
そこには携帯の灯りに照らされた、細い山道が写っており、周りは闇。
わー、本当に山奥だわ。
まさかクマなんかいないよね??
するとしばらくして、お餅様から電話がかかってきた。
お餅様は、ボソボソと小声で、早口で、声を潜めて喋った。
「さっきなんか動物いた。ガサガサ音立てて走っていった。音からして、結構大きい動物だと思う。」
とはいえなんの動物かは不明。
なんせこちらは人間ですもの、闇の中では目が効かない。
動物からは、お餅様の姿がよく見えていたんだろうけど。
動物の方も、こんな夜中に山の中に人間がいて、ビックリしただろうね。
お餅様はいつもとは全く違った口調で話し続けた。
「動物にも会いたくないし、人にも会いたくない。」
確かに、野生動物に会うのも恐ろしいけれど、こんな夜中にこんな山奥でバッタリ人に会うというのも恐ろしいわね。
そしてしばらく話してから、電話の電池が無くなる事を恐れ、再び電話を切った。
それから時が経ち、空が白み始め、ようやくお餅様からこんなメールが来た。
「もうすぐ着くよ」
お餅様、おめでとうー!!!
もう大丈夫、いや〜、安心したわ〜。
安心した途端、私は緊張の糸が切れて眠ってしまった。
目が覚めると、お餅様が部屋の小上がりに座って床を見ていた。
顔色は白く、表情が無かった。
足を痛めており、むくんでいた。
お餅様は私を見て、
「お母さん、何で寝ちゃったの…。」
と無表情でつぶやいた。
こんな生気の無いお餅様を見たのは初めて。
よほど怖かったのだろう。
それからお餅様は、今度は妙にゆっくりした口調で、静かに、どんな道を歩いて来たのか話してくれた。
話しながら、恐怖心を体の外へ追い出しているかのように見えた。
今回は、たまたま携帯の充電が足りて、たまたま野生動物に襲われなくて、ほんとに運が良かっただけの事。
本当に危ないから、絶対に夜中に山道なんて歩かないでね。
栞里も起きてきて、
「お父さん、夜中に山の中歩いたの?危ないからダメだよ!」
と言った。
3歳でも「夜中に山を歩くと危ない」って知っているのね (*^_^*)
それからお餅様は素直に「夜中の山は二度と歩きません」と約束してくれた。
こちらは夜中のメールのやりとりの一部抜粋↓
それにしても、お餅様が無事に帰って来てくれて良かったよ…。
お餅様には、今日した約束を守って欲しいわね。