この左側の1221Mに乗って辰野経由で帰った記憶があります。夕方には帰れるかと思ったら、意外にも夜になってしまったので飯田線は遠いな!と思ったものでした。 83,06,06 天竜峡 1221M 230M オリンパスOM1 TRI−X スキャナー : Nikon COOLSCAN WED
機関車屋の自分にとってたとえ名車と呼ばれる電車が幾並ぶ飯田線とあれど、なかなか足が向かないのが現実でした。クモハ52が活躍していた時代も飯田線が目的ではなく、山陰線へD51の撮影に行くついでに、牛久保駅構内で休むクモハ52を撮影しただけで満足していました(当時、クモハ52は朝夕の通勤輸送限定運用に入っていて昼間は牛久保で2本並んでいると鉄道ファン誌に掲載されて情報によるものです)。
その後も何度か飯田線を訪れてはいますが飯田線詣でとはいえない回数だったと記憶しています。30年前の6月も2回も飯田線の撮影をしていながら、どちらもついでと言う程度の撮影でした。今になってみれば既に車を所有していた時代ですので、もっと訪れていればと思いますが、まだまだいろいろ追っ掛ける被写体があった時代ですので致し方ないのかもしれまん。
時刻表も持たずにカメラ1台と50ミリと85ミリレンズだけで訪れています。 83,06,06 天竜峡−千代 145M オリンパスOM1 TRI−X スキャナー : Nikon COOLSCAN WED
1回は06月06日に訪れていますが、これは前日に新宿で呑み会があって遅くなってしまったので新宿23:15の急行”アルプス”に乗って衝動的に飯田線へ撮影に向かっています。衝動的とは言っても機材を持っていたのですから、明日は天気が良さそうなので遅くなったら”アルプス”に乗ってしまえば良い!と言う気がありました。しかし、可愛い子と仲良く慣れたら飯田線を捨てて新大久保か高田馬場あたりの夜のネオンに消えるつもりでした。しかし、そんな自分の思い通りに敵が堕ちるはずもなく、幸か不幸か”アルプス”の車内の人になっていました。
今だったらたとえ時刻表を持っていなくてもスマホやipad miniで検索すれば撮影地での列車の時刻どころか前日の運用から割り出した日毎予想運用までわかりますが、当日はその様な便利なシステムはなく翌朝、辰野で”アルプス”を降りて165系に乗れば良いことは以前の経験でわかっており、後は運に任せて適当な駅で降りるだけでした。
そしてこの時期で無いとなかなか太陽が入り込まないと目星をつけていた千代駅で降りて駅の時刻表を見て、メモをして天竜峡駅に向かって撮影しながら歩き出しました。この時、はっきり覚えているのは135ミリレンズを持ってくれば良かったと言うことでした。しかしあくまでも呑みのついででしたので多くを望んでもそれは致し方ない事かもしれません。
何本か旧型電車を撮影して太陽も高くなったのでとりあえず天竜峡駅へ向かう事にしました。当時、天竜峡−千代間にあるトンネルは地域の人が使う生活道路となっていました。しかしよそ者の私にはトンネルを通る勇気が湧きません。トンネルの入口で躊躇して時間だけが経過していきました。そうこうしているうちに、オバサンが何処からともなくやって来てトンネルの中に入っていました。メモした時刻から言っても列車は来ない時間帯です。たぶんオバサンはそれをわかっていて、トンネルに入っていったのでしょう。何か背中を後押しされるよう私もトンネルを渡ることにしました。結構長いトンネルだったと記憶がありますが前後事は全く記憶にありません。ただ、天竜峡駅に出ると旧型電車が停車していてその姿を見て何故かほっとした記憶だけがあります。
今でもこの光景は変わらず見られるのでしょうが、やはり旧型電車と331系では雰囲気が一変していると思います。飯田線北部はATS−PTの地上子の関係で3両が限界で4両は入れなくなったと誰かに聞いた事があります。 83,06,11 下平 224M TRI−X スキャナー : Nikon COOLSCAN WED
もう1回は前回から1週間も経たない11日でした。この時は高山線へ撮影にいくついででした。都庁の大先生と同僚だった旧型電車が大好きな模型屋と出掛けています。たしか前日の最終で相模湖駅で集合して中央道へ向かった記憶があります。職場では大人しく、ほとんどはしゃがない同僚が飯田線沿線に立つと、水を得た魚の様に旧型電車の1両、1両の経歴などを饒舌に話す姿にビックリしたものでした。車の足の軽さから田切や上片桐、下平と撮影しました。
梅雨の晴間で綺麗な青空と暑かった日でした。まだ土曜日も通学の学生の姿があり良い被写体になりました。午前中の短い時間ながら充実した撮影が出来て満足して、高山線へ移動しています。
梅雨の晴れ間の名撮影地でさえ鉄ちゃんは私達だけで、極めて平和な時代でした。 83,06,11 田切 223M TRI−X スキャナー : Nikon COOLSCAN WED