予備知識がなくて突然、こんな車両がやって来たら鉄ちゃんなら誰だった我を忘れてしまうと思います。車掌がこちらを向いて怒鳴っているのがわかります。 83,07,24 別府鉄道土山
30年前の7月の事でした。大阪周辺でゴハチを撮影して、翌日は播但線の海水浴臨(”但馬ビーチ”だったかな?)を撮影するために宿を予約した姫路に向かっていました。153系の新快速に乗って車内で時刻表を見ているとちょうど土山駅で別府鉄道の列車が来る時刻でした。この頃私鉄、それも中小私鉄の情報など断片的でほとんど情報を持ち合わせていない状況でした。今の尺度から言えば丸腰状態でしたが、それだけに予想外の車両との出会いもあり、今思えばそれはそれで楽しい事でした。この時もやって来る車両など知る由もなく、鉄道ファン誌で一度紹介されていたバッケット気動車がやって来ると思い込んでホームで別府鉄道の列車を待ちました。
そしてやってきたのがこの車両です。DLが2軸客車を牽引して来たのを見てビックリするというより、腰を抜かし我を忘れてしまいました。今まで、鉄ちゃんをやっていて思わず興奮して前後の見境がつかなくなる車両との出会いのベスト3にひとつに入ると思います。
車掌がヘルメットを被って誘導を開始する僅かな時間に”1枚だけ撮らせてください!”と声を掛けて許可の声も聞かずにホームを降りてカメラを向けました。その瞬間”ワレェ!誰がホームから降りて良いとゆーた!(もっとどぎつい関西弁で!)”と本気で怒鳴られましたが、とにかく1枚だけ撮影してホームに上がったのがこの写真です。
今だったら無断でホームから降りる行為はご法度で言語道断です。下手をすれば列車の運行に支障をきたし不審者として扱われ警察沙汰になりかねない行為です。しかし既に30年も経過しているので、この行為は時効としてお許しいただいて、ご紹介する事にしました。ご承知の通りこの2軸客車は相鉄のかしわ台に里帰りして大切に保存されています。