17日は池袋・ジュンク書店で開催された広田尚敬さん&名取紀之さんのトークショーが開催されたので参加してきました。トークショーのお題は”鉄道趣味、そして鉄道写真”で活字には出来ない鉄道写真での逸話が聞けると40人の定員が満席となりました。昨今の鉄道ブームを反映して若い女性やカップルの姿もあり、いつしか我が趣味も様変わりしたな実感してしまいます。
トークの内容は昭和30年代の広田さんが学生時代の撮影の思い出話。また鉄道写真家では率先してデジタル写真に移行(広田さんご本人は”フイルムカメラとの平行運用”とはおっしゃってはみたものの、名取編集長に”最近フイルムで撮影していますか?の問いに一瞬広田さんが口ごもる場面もありました。)した時の逸話。また創世記のフォトショップと格闘して寝食を忘れて、最終的には右の人差し指が腱鞘炎になった事など興味深いお話ばかりでした。
また、今後のデジタルカメラの進化する方向を広田さんの跡継ぎでもあるご子息の泉さんとセッションで語られてメーカーの宣伝では絶対に聞けない内容で非常に勉強になりました。そんな広田さんのお話で一番印象に残った話題は名取編集長から”若いころから現代でも斬新と言えるアングルで撮影していて迷いは無かったですか?の問いに広田さんが”私が学生だった当時は7:3の構図で編成の後ろまでピッシッと撮れているのが鉄道写真だ!その上、車内は人物が写ってはいけない。形式写真はすべての扉・窓が閉まっていないとダメ!と言う暗黙のルールがあったのをあえて打ち破って撮影して、それを当時鉄道ピクトリアルの編集長だった黒岩保美さんが「広田くんは面白い写真を撮ってくるねぇ!頑張って!」と言われその言葉に励みに撮影し続けた”と話され、あの度肝を抜く様なアングルはすばらしい先輩の一言が裏づけで撮影され続けたと知り感銘を受けました。
また名取編集長からは自ら改造したドイツ製のカメラを披露され、このカメラで形式写真を撮るのが楽しみと嬉しそうに話されていました。
予定の1時間はあっという間に過ぎ、お開きとなりましたが、もっと時間があれば空前の鉄道ブームをお二人はどう受け止めているのか?また、鉄道写真はどう進化し、変わっていくのかをお聞きしたかったものです。
トークショーの最後はサイン会が開催されました。RMの最新号(RM300)の表紙が広田さんの写真であるのでタイムリーなサイン会です。真ん中の髪の薄い方は…そう、あの方です。(笑)