京丹後市久美浜町に伝わる布袋野の三番叟に登場する翁が天照大神だそうです。
天照大神が男神であることの伝承がここにも伝わっていました!
http://100chin.kyoto-fsci.or.jp/kumano/kumanoisan/syosai/kumanoisan2122.htm
>無形民俗文化財
ほたいのさんばそう
布袋野の三番叟
(登録)
熊野郡久美浜町字布袋野
保護団体布袋野区
久美浜町を貫流する川上谷川は、最上流の兵庫県境で二つに分かれている。
東部は市野々、西部が布袋野で、笹倉谷に沿って集落が広がっている。布袋野から府道永留豊岡線を走れば約二キロメートルで兵庫県豊岡市である。また、集落南西部にある駒込峠を通れば出石町だが、古来よりこちらが街道で出石とは交流が深かったという。
布袋野の氏神は河上三神社で、毎年四月第二日曜日の祭礼に神社の境内にある舞堂で三番叟が行われている。布袋野では、演者のことを立役、購子方のことを中座と呼んでいるが、中座が位置する舞堂後部の一段高いところも中座と呼んでいる。その構成は次のとおりである。
立役
稲荷 一人。杵を着て、折烏帽子をつける。翁のお供という。
翁 一人。振袖を着て、頭にはかつらをつけてかんざしを挿し、金色の烏帽子状のものをつける。天照大神を表すという。
白色尉 一人。松などの文様の入った直垂に大口袴をはき、剣先烏帽子をつける。伊那那美命を表すという。
黒色尉 一人。衣装は白色尉に同じ。手力男命を表すという。
中座
締太鼓 三人。舞台の向かって右端に位置し、一人は鋲打ちの大太鼓も担当する。
鼓 二人。締太鼓の左に位置する。
三味線 三人。鼓の左、舞台中央に位置する。
歌うたい 一人。三味線の左、舞台の左端に位置する。
笛 五人。道中は囃すが、舞台には上がらない。
拍子木 一人。他の囃子方の位置する中座には加わらず、舞台の右端に位置する。
立役、中座とも青年の役で、立役はいずれも粉飾化粧をする。中座の衣装はいずれも着物の着流しで袴はつけない。
祭礼当日、立役の四人は公民館で化粧をし衣装をつける。関係者が集まり定刻となると「布袋野村」と染め抜いた幟を先頭に立役、中座の順に練り込んでいく。神社に到着すると、本殿に参拝した後、一同は舞堂へ移動する。舞堂は三番叟専用のもので、間口四間、奥行三間の広さがあり、舞台後部が中座で、舞台の下手に楽屋が附属した構造になっている。
まずはじめに、稲荷が鈴を持って登場する。両手を広げ、首を左右に振る礼式と呼ばれる所作をしてから舞台右端の拍子木の横に座る。その後、翁、白色尉と黒色尉がそれぞれ登場し、やはり礼式をした後、翁が中央に、向かって右に白色尉、左に黒色尉が座る。最初は翁の舞で、翁が扇を広げ優雅に舞う。
次は、白色尉と黒色尉による喜びの舞である。三月の景色を表し、田を耕し、籾をまき、秋の豊作を祈る舞という。これが終わると、御簾が上がって中座の各役と師匠の紹介がある。それから稲荷が立ち上がり、翁へ二つの鈴をわたすと翁、白色尉、黒色尉三人の問答がある。問答が終わると翁は白色尉と黒色尉に鈴をわたし、稲荷を従えて退場する。
最後は鈴の舞である。白色尉と黒色尉は面をつけ、秋の収穫を喜び、その喜びを体一杯に表して、鈴を振りながら大きな所作で力強く舞う。<