『神戸だいすき』 さんのサイトで、 『君の名は』の実写化を取り上げた記事のなかに 私の投稿記事と、こちらのサイトへのリンクがありましたので、急きょ、フェイスブックに投稿していた記事を転載しました。
http://blog.livedoor.jp/pegasus2011/archives/8956532.html#comments
https://www.facebook.com/shinkaiworks/posts/320386721664846
大江幸久 ― 新海誠監督作品
『君の名は。』
2016年10月31日 投稿記事
昨日初めて鑑賞した「君の名は。」私(白兎の小使い)はこのようなことを感じました。
水の神、瀬織津姫(向か津姫=六甲(ムカツ)姫
宮水神社、奥宮の磐座、主人公の名前の宮水三葉(みつは)と立花瀧、そして水、雨の美しい描写と相まって、瀬織津姫を連想させてくれました。瀬織津姫は橘の神ともいわれることが、故菊池展明氏の考察によって明らかとなっています。
http://blogs.yahoo.co.jp/tohnofurindo/18624534.html
宮水とはズバリ、六甲山・夙川の伏流水と御前浜付近の海水が絶妙にブレンドされた名水のことであり、この水を使って醸造される白鷹は伊勢神宮唯一の御料酒に指定されています。御前浜とは廣田の神(向か津姫)の御前(おんまえ)にある浜、という意味です。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AE%AE%E6%B0%B4
そして瀧の神といえば、やはり瀬織津姫です。
僭越ながら私も出版にっ変わった『トノヲシテ瀬織津姫さま言霊リメンバリング』という本、で水の神、瀬織津姫は、こうおっしゃっています。「この国は水と緑の国であり、たいへんありがたい国であります。水が豊富に湧き出す国などこの地だま(地球)の上にもそうあるわけではありません。この水があって初めて稲穂が出来るのです。植物が育つのです。母なる水ではございませんか。また水は、天から降って参ります、集まって山の水となり、滝川の水となり、この国の美しい景色となります。」
まさにこのお言葉のとおりに、描き出されているのがこの「君の名は。」です。
口噛み酒も、古事記に「佐賀美邇迦美而(さがみにかみて)⇒建速須佐之男命の十拳劔である純白透明の水溶液(地魄)が天之真名井で洗い清められ、そこへ天照大御神(太陽)からの生命線が作用して、一種の霊妙なる醗酵作用・醸造作用が程よい程度に行われて、どろどろした粘液半固体の、生命の宿り得る原形質のようなものが出来るのであります。」
http://arigatougozaimasu.com/free/kojiki/kojiki34.htm
とあるように、古代の酒の醸造の原型を示しています。
古代の文書といわれる『ホツマツタヱ』にはスクナミの神が瀬織津姫の御生誕の日(先述の本に紹介されています)でもある3月3日雛祭の起源である、モモヒナキ・モモヒナミ夫妻に最初に酒を献上したことから、ササナミの称え名をいただいたことが出てきます。その発祥の地は、滋賀県蒲生郡安土町常楽寺、沙沙貴 (ササキ) 神社とされています。
そして奥宮の磐座の重要性がクロースアップされています。この磐座の神が、はるか昔より準備をされて、粋な方法で、糸守の村人をお救いになったのです。
里宮ももちろん大切ですが、本来神は、山の上の磐座に祀られている、あるいは磐座を依り代とされています。人が平地に居を移し、山から離れ、代わりに里に神殿を建てて、そこにしか神詣でに行かなくなってり、本来の大切な場所が忘れ去られがちになってしまっているわけです。
近年、兵庫県の六甲山の山の名前の由来と推定される瀬織津姫を祀る六甲比命神社の磐座が多くの人々によって知られるようになったことは、大きな意義があると思います。
奥宮(仏教でいえば奥之院)の座す磐座への信仰の大切さに注意が向けられるべきであることを、新海監督は、語らずとも示唆されているのではないかと思いました。
「君の名は。」は、若者の恋愛物語を装いながらも、相当に深い御神意を内包する作品といえるでしょう。
http://white.ap.teacup.com/hakuto/2735.html