全日本吹奏楽コンクール審査

2008/10/31 | 投稿者: 木下牧子

 先週末の25〜26日、大阪の国際会議場で全日本吹奏楽コンクールの審査をしてきました。その前の週は普門館で中・高校の全国大会がありましたが、今回私が審査したのは大学・職場・一般の部。この大人の部は金管や打楽器の音量が非常に大きくなるので、以前1500人くらいのホールで聴いたときは耳が壊れそうになりましたが、今回は2,500人収容の大きい会議場なのでちょうどよかったです。二階の正面の席で聴いたので音はバンバン飛んできましたが、音量が飽和量を越えた団体はほとんどありませんでした。

 さすがに全国大会だけあってどこも実力が高く、金賞はともかく、銀賞と銅賞に分けなければならないのはしのびない感じでした。全国大会の審査はこれでたしか三度目?ですが、出場団体で直接関わりのある団体は皆無なこともあり、私なりにかなり客観的な審査ができたのではないかと思います。

 私の採点基準の第一はサウンド。楽器それぞれの音、それがすべてブレンドした時の全体の響きの音色バランスと音量バランスがいい団体は、開始10秒くらいで聴き手の心を掴むことができるように思います。そしてそういう団体はどんなffを演奏しても「うるさい」感じにならない。もっともこういう基礎的な力をアップさせるのは最も難しいかもしれません。

 採点基準の第二は課題曲をどう自分たちのものにして魅力ある演奏をしているかということ。そのために5つのうちどの課題曲を選ぶかも重要そうです。今年は5曲とも平均して演奏されていたように思います。個人的には3の「セリオーソ」(吹連委嘱作品/作曲 浦田健次郎氏)のシンプルでありながら緊張感に富んだ深い音楽に魅せられましたが、全国大会まで勝ち上がった皆さんが4ヶ月に渡って練り上げると、どの課題曲もその魅力がよくあらわれて聴きごたえがありました。さすがに大人の団体はあたえられた参考演奏そのままコピーという演奏はなく、どの団体も一歩踏み込んでより魅力的な音楽を作っていたのが印象的でした。

 採点基準の第三は自由曲の選び方です。その団体の長所を生かせて、曲自体も変化に富んた魅力的な音楽で、最後に感動的な山が形成されればいうことなし。ですが、そういう曲がそんなにたくさんあるわけもなく、皆さん毎年選曲にさぞ苦労なさることと思います。
 大人の部では邦人作品が多いですが、これはとても意義のある大切なことだと思います。本当にいい作品は滅多に出ないかもしれないけれど、どんどん生み出していくことで、作曲家も育てられるし、吹奏楽界も発展していくと思います。もちろん素晴らしいアレンジのクラシック作品を聴くのも喜びの一つですが、それだけしかなかったら吹奏楽の魅力は半減だなあ。
 数年前に聴いたときは天野正道作品が人気沸騰してましたが、今年も邦人作品がたくさんあって(一般の部では鈴木英史作品が最多で3作!)楽しめました。今後もどんどん作曲家との共同作業で新しい魅力のある作品を世に紹介して頂きたいと思います。私もそのうち(三年後ぐらい)また吹奏楽を書いてみたいと思いつつ聴いた2日間でした。

【第56回全日本吹奏楽コンクール金賞受賞団体】

大学の部 龍谷大学学友会学術文化局吹奏楽部(京都府)
     駒澤大学吹奏楽部(東京都)
     近畿大学吹奏楽部(大阪府)

職場の部 ブリヂストン吹奏楽団久留米(福岡県)
     ヤマハ吹奏楽団浜松(静岡県)
     NTT東日本東京吹奏楽団(東京都)

一般の部 名取交響吹奏楽団(宮城県)
     ソールリジェール吹奏楽団(埼玉県)
     土気シビックウインドオーケストラ(千葉県)
     大津シンフォニックバンド(滋賀県)

 最初、土気シビックウインドオーケストラを書き落としてしまい、ご指摘を受けました。関係者の皆様、大変失礼しました。実はこの土気シビックウインドオーケストラは、今回聴いた2日間の熱演の中で、私個人が最も感銘を受けた素晴らしい演奏をした団体でした。なのになのに私ったら。



2008/11/5  22:32

投稿者:えい

ありがとうございます。
辛口批評をぜひお願いします〜

2008/11/2  21:26

投稿者:dai

審査おつかれさまでした。
浦田先生の課題曲はやはり木下先生の課題曲に似ている作風だと思ったのは私だけでしょうか(笑)

2008/11/1  0:19

投稿者:河原木 孝浩

大きなお仕事、お疲れ様でした。

吹奏楽は2年ほど指導した経験があるだけで、
ド素人状態な私ですが、
うなずけるところがたくさんあります。
合唱にも共通するところがあるなあと思いました。

小学校の合唱、自由曲の選択は、
全国どこの先生にとっても悩みの種です。
木下先生の新しい作品を楽しみにしています。

http://kawaragi.ddo.jp/

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