エレーヌ・グリモー

2011/1/17 | 投稿者: 木下

 '10年代はピアノ曲重視の10年にするつもりです。といいつつ、一年目の去年はオケと合唱&オケに忙殺されて、あまりピアノ作品に集中できませんでしたから今年こそピアノ・イヤーの幕開けに!

 というわけで、今年はピアノ演奏会にもたくさん出掛けようと思っていて、その第一弾が「エレーヌ・グリモー」。世界的に人気のピアニストですがライブを聞いたことはなくて、幸運にもご招待いただいたので出掛けました。神奈川県立音楽堂。このあたりは緑が多くて良い所ですよね。時間があったら近くの神宮にもお参りしてから行きたかったのですが、例によって時間ギリギリとなり直接ホールへ。

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 ホールが満員で、しかも珍しく若い男性が多いのに驚きました。オーケストラなんかだとシニア世代が中心ですし、現代音楽系はそもそも客が少ないし、歌曲系もピアノ演奏会も普通は女性だらけなんですが。老若かかわらず男性が多いということはグリモーさんてきっと美しい方なんだろうと予想しましたが、ステージに出てきたのは小柄のどちらかというと中性的な雰囲気の方で、しかもピアノを弾き始めるとソバージュ・ヘアーが顔を覆い隠して全く見えないので、ルックスの確認はできませんでした。

 演奏は個性的で情熱的。有るべきスタイルにはこだわらず、好きな作品を独自の解釈でほとばしる情熱で演奏する…という印象を持ちました。特徴は左手が雄弁なこと。左利きなんでしょうか。とにかくダイナミック・レンジが広く、表現力も豊か。充実した中低音を持つのは演奏家として大きなメリットといえるでしょう。
 モーツァルトでは若干左手に音量バランスが傾きすぎて透明感に欠ける気がしたのですが、メインのリストは素晴らしかった。ドイツ・ロマン派が最も好きというだけあってロマン的で情熱的、低音の響きや旋律線がくっきり浮かび上がるため、骨太なリストの世界が見事に表現されていて引き込まれました。この一曲を聴けただけで横浜まで出掛けた甲斐があったというものです。

 帰り、ゆっくりお化粧を直して帰ろうとしたら、グリモーさんのサイン会が始まっていて、当日ホールでCDを買った人が長蛇の列をなしていました。ロビーを横切るときサインをしているグリモーさんのお顔をちらっと見たら、目が宝石のようにキラキラ輝いて驚くほど美しい方でした。男性ファンが多いのも納得。妖精のような繊細な美貌に野性的情熱、というミスマッチが魅力なのかもしれません。

 グリモーさんのように個性的なピアニストが世界で認められているのに、日本では音大でもコンクールでも減点主義なためか、荒削りだけれど魅力的な演奏をするピアニストはほとんど評価されていない気がします。世界で活躍するどころか国内でもチャンスはほとんど与えられない。評論家もコンクールで賞を取った人、知名度の有る人の演奏会にしかいかないし。でも日本にも情熱的で魅力的なピアニストはたくさんいるのにな。外来の有名ピアニストだけでなく、日本にいる、コンクール歴はなくても才能あるピアニストを聴衆が見つけ評価し育てる、といった世界になるといいんですけどね。



2012/5/15  9:01

投稿者:キラ

そもそも女の作曲家なんて笑える
まあ、せいぜい頑張れ

2011/2/10  23:51

投稿者:伊藤晋

初めまして
木下様のお名前と少しの作品は存じ上げていましたが、ブログは偶然拝見しました。50前半の中年の私もグリモーさんは以前から好きだったのですが、ライブは同じ日に初めて聴きました。同日の私のブログに感想を書きましたのでお読みいただければ光栄です。なお2日後の17日のサントリーホールも後半だけ聴きましたので、15日とのホールの響の違い等について21日付けで「グリモー追記 ホールと音楽と」と題して書いております。
私は一般大学の卒業ですが、今でもそこのOB管弦楽団でヴァイオリンを弾き、年2回の定演を経験してきております。合唱も高校時代からやっており、大好きですし、今は若いオペラ歌手の何人かに注目して応援したりしています。ブログは2006年2月から書いており、今では1400タイトル以上になりました。音楽のことが多く、次いで映画や政治時事問題等、という状況です。
今後、先生のブログをたまに拝見するようにいたします。楽しみにしております。

http://susumuito.cocolog-nifty.com/blog/

2011/1/19  17:12

投稿者: riki

ピアノ・イヤー!楽しみです。

それにしても、先生の書かれる文章ってホントに素晴らしいですね。コメントを書くのが、恥ずかしくなってきましたが、又、書いてしまいました。

エレーヌ・グリモーさんって、ホントに美しい方ですね。今は、you tubeで、すぐに検索できちゃうので、便利です。

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