上堰通信62号を発行しました。
相変わらずの新型コロナの禍中ですが、上堰の棚田は無事出穂を迎えました。二年連続で首都圏からのボランティアの受入れを断腸の思いで中止しましたが、今年は県内の方5名の受入れは行いました。先の冬は積雪はほぼ例年並みでしたが、堰の傷みはさほどでもなく、事前に数回にわたって組合員で作業をしていたこともあり、少人数でしたが何とか予定通りに水を流すことができました。
代かき、田植え後の天候も比較的安定しており、5月末には梅雨のような日が続いたこともありましたが、その後天気は持ち直し、特に例年よりも早い梅雨明け(7月16日)後は35℃を超える猛暑日が数日続いたこともあり、長雨で発生しやすいいもち病の発生も見られません。このまま秋の長雨や台風などの襲来がなければ、豊作の年になりそうです。
昨年は獣害にも大変苦しめられましたが、今年はイノシシ、サルとも数が減少したように感じます。やはり雪が動物たちの越冬をかなり阻んだのではないでしょうか。上堰の田んぼはほぼ全て電柵が張られていますので、このまま上手く獣害も避けられたと思います。雪国においては降るときちゃんと降ってもらうことが重要で最大の防御だとあらためて感じています。
さてこのコロナ禍で飲食店の休業要請が続き、お米も野菜も値段が低迷しているそうです。特にお米は6月末時点で民間在庫量が220万〜250万トンと推定されており、200万トンを超えると価格は大幅に下落することが過去の経験から明かなので、令和3年度産米の価格も下落することが予想されるそうです。もしかすると平成26年の時のように一俵1万円程度という超低価格になってしまうかもしれません。そこに輪をかけて豊作だったら…。お米の需要と供給のバランスが崩れて久しい中、豊作だけど笑顔になれないという事態は繰り返されてきました。
国はその対策として主食米から飼料米に転換するように促しています。これは特別な作り方をするのではなく、目的を飼料用に変更して主食米の市場流通量を抑え、農家の一俵当たりの価格は下がりますが、奨励金を上乗せすることで面積あたりの農家の収入は維持するという方法です。
いずれにせよ生産コストの高い棚田地域にとっては、米価の下落は非常に厳しいものです。守る会としては「上堰米」拡販による収益向上を、皆さんの応援を得ながら地道に続けていきたいと思います。
豊かな自然に育まれたお米・野菜たちってホントに美味しい!
〜山間の小さな農業を応援して下さい〜
安心な農産物の生産・提携「ひぐらし農園」

0