時間とともにやがて陽が暮れ、店の暖炉の暖かさが丁度よくなった。18 時を過ぎ開場。朱色に燃える暖炉の火が、集まってきた客席の人々を優しく魅了している。店内の照明が暗転しステージへ放浪楽団の4人が登場する。場内に SE のミシシッピージョンハートの最後の曲が流れ出すと客席が静まりかえる。
寺島さんのギターのフレーズが場内にゆっくりとテンポを刻み出した。「放浪楽団のテーマ」が冒頭を飾りこのインスト曲が店内に流浪の空気を漂わせる。マークリボー & 偽キューバ楽団のカバーだ。寺島さんのギターがいつも以上にいい感じにヒートアップしている。去年 FOLK の旅で沢山演奏してきた「通りの店」「 Organ 」と三曲立て続けに演奏した。それぞれの曲の持つ深さ、早さ、揺らぎで。。。ぐっと引き寄せるように放浪の音楽の世界を繰り広げた。
メンバー紹介を終え会場が暖まる。
今日唯一のカバー曲「 WhatA Wonderful World 」 ( 素晴らしきこの世界 ) を演奏。これも鉄板。去年は様々な場所で沢山演奏してきた曲だ。。。
放浪楽団は、昨年四月から宇都宮はギターショップスズメレコード、洋菓子店パティスリーメルシー創業祭、美容室 studio kiki 夕涼み会を回り、夏は、さくら市喜連川のジャンゴラインハルトフェスティバル、秋は初の茨城県笠間の言の葉でライブを終えた。
そして年を越して今日は、この FOLK の旅の千秋楽なのだ。album 「 FOLK 」は 2016 年 1 月のリリースだからこの千秋楽のリリースライブまで一年かかってしまった。でも、こうして遠くから、そして多忙な中、時間を割いて集まってくれた皆さんの気持ちに、ただただ心が熱くなってしまう。皆さんライブ後「 FOLK 」を持ち帰ってくれたのでそれもまた嬉しい。聴いてくれているだろうか。。。
ライブの方は、寺島さんとのギター DUO で「やわらかい音」を演奏。
去年は、ふたりのセッションやライブも結構やったものだ。久しぶりにまたこうして2人で演奏するのもいいものだ。
MCとともに第2部が始まる。
FOLK のフライヤーの暖かなセンテンスを綴ってくれた 2Tree Open House の倉本くんを会場の皆さんに紹介。心温まるこのテキストには僕も大分励まされた。第2部はまさにアルバム「 FOLK 」にあるフォーク、セカンドラインビート、トーキングブルースなテイストでセレクトした。ライブでは初の J-45 を思う存分弾いた。
2部の冒頭は、年末に書き上げた「夜を渡る」を切り口に歌い始める。初披露で演奏後の拍手の反応が嬉しい。