大丸札幌店で開催中の「ムーミン展」に行ってきました。
トーヴェ・ヤンソンさんによるムーミンの原画やスケッチ、習作などが多数(180点ほど)、ムーミン博物館所蔵の立体模型も展示されて、ムーミンの世界にとっぷりと浸ることの出来る、ムーミン好きにはかなり見応えのある展覧会です。
ヤンソンさんの原画、ことにペンで描かれた白と黒だけの挿絵の数々が、とにかくすばらしいのです!
ムーミンの原画は、これまでにも、タンペレのムーミン谷博物館や、札幌芸術の森での展覧会でも見たことがあるのですけれど、見る度に、深く静かなムーミンの世界を描くデリケートな筆致にあらためて感動します。
ムーミンたちの表情、ムーミン屋敷の調度のあれこれ、リースに描き込まれたいろいろなもの。ミーのファッション。しっぽ。花やベリー。どの作品も、ディテイルまで仔細に観るのがとても楽しいのですけれど、今回は特に、ペンだけで描きだされた、登場人物をめぐる風景の絶妙な表情に心奪われてしまいました。うごめいているような木々、険しい山、滑るような海面、波、雨、雪、影、霧・・・。ざわざわする気持ちや穏やかな心持ち、おそれや不安や孤独・・・。本の挿絵でもみている絵ですが、原画のニュアンスはまた格別です。
私がムーミンのシリーズを読んだのは大人になってからなのですけれど、またひととおり一気に読み直したくなりました。

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