5月23日は、東京都北区の王子駅前にある「北とぴあ」のプラネタリウムでのRAUMAのコンサートでした。地元の方たちのグループ「ねこの手」の皆さんが、すばらしい協力体制で、手作りでこのコンサートをつくりあげてくださって、満席のお客様が聴きにきて下さいました。チケットが売り切れでお入りいただけなかった方には申し訳ありません。
以前スウェーデンのトラッドグループ、フリーフォートのコンサートを聴きにいったことのある北とぴあ。たくさんのホールが入った、立派できれいな公共施設です。
こちらのプラネタリウムは席が階段状になっているのでステージは客席から見下ろす位置、そしてわたしたちのうしろから天井にかけてがスクリーンになっています。
コンサートのタイトルは「遠い旅の記憶」とつけていただきました。
喉歌のレクチャーなども交えつつ、RAUMAでたっぷり曲をお届けした第一部の最後の曲「五月」の途中で、しだいに会場が暗転。満天の星空が広がりました。さぞきれいだったと思います。私も星空を見上げたかったけれど、そこはこらえて、ほぼ真っ暗な手元に集中して弾きました。。。
後半はプラネタリウムの上映から。ここはステージの袖で私も見せていただきました。東京の空に続いてフィンランドの空も映し出されました。どちらもそれぞれに、ふだん見慣れた北海道の星空とぜんぜん違って見えることに少しおどろきました。北極星の高さがちがうと、こんなに違うんだなあ。
プラネタリウムのあとは、ストーリーテラーの末吉正子さんが語られる「白いアネモネ」(トペリウス作より)に、カンテレで音をつけさせていただきました。末吉さんとは初共演。野に咲く白いアネモネが、気ままでうぬぼれやの蝶に寄せるいちずな想いを描いたデリケートなお話が、末吉さんのよく通る声で表情豊かに語られます。カンテレの音色は、トペリウスの世界にとても似合っているように思います。
語りや朗読は、当然のことですが、その語られる方、読まれる方で、ひろがる世界も、テンポやリズムも違います。末吉さんはこのトペリウスのお話をずっと長く語っておられるそうで、ご一緒できて、すてきな経験でした。
ところで、このトペリウスの童話を読むとき、私が思い浮かべるアネモネは、真っ白なキクザキイチゲの花。アネモネの原種に近いそうで、このあたりの山裾にも春のほんの一時期だけ咲く楚々とした花です。トペリウスが見ていたフィンランドの野のアネモネは、どんな花だったのかしら。。。
そのあとまたRAUMAで演奏させていただいて、たっぷりとたくさんの曲をお届けしました。プラネタリウムというすてきな場でたくさんのお客様にあたたかく聴いていただけてとても嬉しかったです。ありがとうございました。
そして主催の「ねこの手」の皆さん、とても素敵なコンサートをご準備いただいてありがとうございました。

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