カンテレには、時代や地方によっていくとおりかの演奏スタイルがあります。
現在では、大型カンテレは低音側(弦の長い側)が演奏者に近くなるように置くことが多いのですが、フィンランド中西部などで弾かれていたフォークのカンテレでは、小型カンテレと同じように、短い弦の側、つまり高音側が奏者に近い向きに置く奏法がとられていました。トイヴォ・アラスパーはそういった弾き方の代表的な奏者のひとりでした。
サリ・カウラネンとティモ・ヴァーナネンは、現代的な奏法の弾き手である一方で、学生時代にトイヴォ・アラスパーから直接伝統的なフォーク・カンテレの指導を受けていて、トイヴォのスタイルを受け継ぐ音楽家でもあります。今回のコンサートでは、トイヴォ・アラスパーのレパートリーからも演奏が予定されています。
のどかでゆったりした、古き良き時代を感じさせるカンテレも、ぜひお楽しみに。
トイヴォ・アラスパーの演奏からValssi(ワルツ)。

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