2007/10/4

ボビー BOBBY  映画

 2006年米作品。あまり評判になりませんでしたが、面白い映画でした。
 
 ボビーとは、68年に大統領候補選出直前に暗殺されたロバート・F・ケネディのことです。
 この映画は暗殺された6月5日、暗殺現場になったアンバサダーホテルを舞台に暗殺されるまでの1日を描いた作品。
 面白いのは、彼を直接描くのではなく、その日ホテルにいた従業員やお客たち22名を「グランドホテル」形式で描くことで当時の世相を描いていき、その悲劇を臨場感たっぷりに描いている点。

 最初は、いわゆるグランドホテル形式の様々な人間模様を描き方がTV的(表層的、せわしない)で、もっと突っ込んだほうが良かったかなと思いましたが、ラストのロバートFケネディ演説から暗殺までが圧巻です。演説がフェイドアウトし、彼と彼を取り巻く時代のドキュメントフィルムが挿入される。そこにサイモンとガーファンクルの名曲「サウンドオブサイレンス」が流れます。
 構成が素晴しい。彼自身を描くのではなく当時の、それもその日にたまたま居合せた人々を描いていき、彼がその希望の星であることを観客に実感させた直後に暗殺シーンになるのです。観客は、そこに居合せた人々と同様に失望感と喪失感を味わってしまいます。

 彼が唱えた内容は、それほど政治的な内容でなく、暴力の連鎖を断ち切ることの大切さを訴えています。まさしく現在にも通じる内容。当時アメリカは、この暗殺によって、脱力感や喪失感を味わっていったのでしょう。それで結局共和党のニクソンが大統領に選出され‥。それでまた暴力の連鎖を生んで‥。きっとあのときロバートFケネディが生きてたらと思った人は少なくなかったと思います。それは、あの「9.11」の衝撃にも似ているように思います。その後のブッシュの対テロ政策へと力対力の暴力の連鎖の時代‥。

 監督・脚本は、エミリオ・エステヴェス(マーチン・シーンの息子)。
 アンソニー・ホプキンスが製作に名を連ね、渋い演技をしています。それにシャロン・ストーンがなかなかいいです。見ているときはまったく彼女と気づかないくらい、いままでと全然違う雰囲気でした。
☆☆☆☆。
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