2009/1/13

転校生 さよならあなた  映画

 先日WOWOWでやっていて、見るとなしに鑑賞。

 大林宣彦が82年に作った「転校生」は、今でも心に残る傑作でした。それを自身で2007年にリメイク。ただ、前作と入れ替わる設定だけ同じで、ほとんどオリジナル。そこが市川崑の「犬神家の一族」のリメイクと違うところ。

 冒頭から、大林マジックで、あれよあれよと映画の世界に入ってしまいます。登場人物は皆、いつもどおり大林のバイアスがかかっていて、なんか変(登場人物がちょっと躁状態)。キャスティングがいいのか皆役にうまくハマっています。うまいもんです。今回もお馴染みの男女入れ替わりのエピソードがちょっとHに綴られていきます。

 と、スケベ心をもたげながら見ていくと、今回のテーマはシリアス。なんと一方の女の子が不治の病で余命3ヶ月。シリアスでいながらちょっと可笑しく、泣かされます。賛否両論ありそうな結末ですが、これはまた別の話として良かったと思います。また同じのを作っても仕方ないですから。これは、大林宣彦の哲学が感じられる映画。人は死んでも、物語は永遠。なるほど。

 入れ替わりも以前のように単純でなく、それぞれの要素が少しづつ残る設定。それがまた元に戻り、それぞれの相手への理解が深まる設定になっています。結局一方が死んでも、もう一人のなかに二人分行き続けるということになるのです。なるほど。
 キルケ・ゴールの言葉(劇中に出てくる言葉)で、死に至る病は「絶望」だそうです。なるほど。一人が死んでも「希望」を持ってもう一人の自分とと共に生きる。ラストはしんみりしたものでなく、前向きで、主人公(男の子)の成長を感じさせる終り方。意外と哲学をする映画でした。

 主人公の女の子役の蓮佛美沙子は最近NHKのドラマ「七瀬ふたたび」で主演しいましたが、平凡な子であまりパッしないと思っていました。でもこの映画では、小気味よい演技でとても光っています。やっぱり演出で役者は変わるもんですね。まあ大林の演出はちょっと独特の臭さがあるけど、それが気にならなければ楽しめます。彼女(蓮佛美沙子)の劇中で歌う主題歌もよかった。☆☆☆☆。

 でもやはり82年の「転校生」のほうが傑作だと、改めて思ったり‥。



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