2009/2/13

歩いても歩いても  映画

昨年の是枝裕和監督作品。キネマ旬報5位。阿部寛、YOU、樹木希林が出ています。

 樹木希林が、良くも悪くも影響が大きいです。巧すぎて、扱いが難しい役者だと思います(演出がしっかりコントロールしないと大変なことになります)。「東京タワー〜オカンとボクと、時々、オトン〜」でも、樹木希林のワンマン映画になってしまいましたし。

 今回は、YOUとの前半の掛け合いは絶妙。この二人を核に他の役者のアンサンブルを固めれば、もうそれでかなりの水準の映画になると、監督は読んでいたのではと思えるくらい。ただ、やはり後半、樹木希林がオーバーになり、バランスを崩してしまっているように思えます。
 
 残念と思ったシーンは、溺れた子どもを助けたために長男は死んでしまったのですが、その助けた相手への恨みをポロっと言うシーン。とても恐いシーンなのですが、見るからに恐いシーンで撮ってしまい、すこししらけます。普通に会話をするように、ライトも影を作らずに普通のライティングで撮っていれば、いたって普通なシーンに見えながら、よくよく考えると「恐〜い」という、リアルな恐さが出たのにと思えます。

 もうひとつ、タイトルの「歩いても歩いても」はいしだあゆみの「ブルーライト横浜」からきているのですが、母親の樹木希林のお気に入りらしく、息子の阿部寛にレコードをかけさせる。家族がいるなかで(団欒のなかで)ひとり樹木だけ、歌に聞き入ってしまいます。それも自分の半生を思い出しているようにな表情で。これもちょっと異常な気がしました。多分このシーンは映画の核になるハズのシーンだと思います。撮り方と樹木希林の演技の付けかたを間違えているように思うのです。あくまでも、押さえたなかに(聴いているのか聴いていないのかわからない感じで)、ドキっとくる表情さえ見せれば良かっのにと思います。「誰も知らない」であのリアルさの先の尽き抜けた安らぎのような世界を作った監督にしては安易に思えました。
 結局、樹木希林の演技に頼ってしまいました。(多分現場で彼女の演技を見ているとハマるのでしょう。レンズを通すとウソが見える。映画の恐さ)

 映画は、結構面白いです。期待が大きすぎたので辛口なってしまいましたが。見ながら「ある、ある」を連発するはずです。姑と嫁の関係なんて、我が家を見ているようでした。でもこれくらいのエピソードドラマは、アニメ「あたしんち」でも同じレベルだったようにも思えてしまいます。(「あたしんち」は息子が大好きでよく見ます。よくできたアニメです)

 もっと突き抜けるものが欲しかったです。☆☆☆.5




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