2009/3/25

ザ・マジックアワー  映画

 三谷幸喜の「映画愛」に溢れる作品でした。映画の裏方や映画の撮影現場が出てきます。それに故・市川昆も出てくる!

 劇中劇映画が「カサブランカ」を真似た映画。これがなかなか楽しいのです。

 前作の「有頂天ホテル」より、映画らしいつくりになりましが、まだ舞台っぽいのが気になります。その上この舞台っぽさが、この映画をダメにしているように思えます。

 トップシーンのホテルの建物といい、素晴しい街並みのセット。俯瞰カットには、電線まで、リアル張り巡らせているのが分かります。CGをうまく配し、リアルな空をそこにはめ込めば、セットとは思えない素晴しい街並みになったことでしょう。でも、空は書き割り風。あえてリアル感を否定しているのです。
 台詞で「映画のセットのような町」と言うシーンがあるのですが、それをそのまま出してしまっています。それでは舞台と変わらない。映画にする意味がないと思えるのですが。
 町はリアルに描くべきでした。その上で、本物っぽいけれど、全体の街並みの雰囲気が「映画のセットみたい」になればよかったのです。結局「映画のセットのような町」が「セットにしか見えない町」になってしまいました。 

 この舞台的な雰囲気によって、すべて作り物っぽい映画になってしまいました。室内のセットもよくできてるのですが、役者のトーンといい、全て舞台劇のように人工的。

 話もちょっと中途半端。

 この話のキモは売れない役者、佐藤浩市が、少年時代に憧れていた一作で消えたスター(谷原章介)と年を取ってから出会うシーンだと思います。まるでティムバートンの「エドウッド」のジョニー・デップとマーティン・ランドーの関係を彷彿とさせるいいシーン。銃の扱いもいいアクセントになって名シーンになっています。

 でも全体のストーリーは、舞台なら勢いで見られますが、映画としては無理があります。どう考えても佐藤浩市は途中で気づくはず。それに気づいたほうがいいのでは?とも思えます。気づきながら、あえて気づかないフリをして、自分の役柄にハマっていくほうが、深くなるのでは?
 ラストの「デラ富樫」(伝説の殺し屋)も簡単に逃げてしまうし‥。西田敏行はいつもよりシリアスに演じていいのですが、他の役者が舞台喜劇的な演技で残念。西田が本当に恐い人間と思わせれば、ラストのどんでん返しも生きたと思います。

 役者では、妻夫木聡が良かったです。表情の変化が楽しい。佐藤浩市との掛け合いも面白い。

 三谷作品は前回の「有頂天ホテル」もそうですが、もう一歩で傑作になるのに‥、と思ってしまいます。やはり三谷幸喜は脚本家に徹して、ちゃんとした映画監督が撮ったほうが面白くなったのでは。


 でも色んな映画のパロディが見られて、それなりに面白い映画でしたが。見ている間はバカ笑いをしながら見てしまいました。(とくに「カット」の話は笑える。)
 それだけにすこし残念な映画。

☆☆☆。


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