2009/7/20

007 慰めの報酬  映画

 今回は割と面白かったです。☆☆☆.5。

 リアルな007というか、現代的というか、以前のような荒唐無稽な敵を作りづらくなった時代の007なのですね。進化、あるいは脱皮しようとする意思を感じました。昔ながらの「スペクター」じゃあ、きょうびまともに見てはくれないということでしょう。それはそれで正解だと思います。ただ、お洒落な感じがなくなってすこしさびしい。

 そんな背景があって、設定はなかなかリアル。
 まさにスパイ戦。誰が味方で、誰が敵か分からない。その上、MI6の上層部というか英国の外務大臣も、必要とあらば、悪とも手を組むと言う始末。現に(というか映画のなかで)CIAの担当者は今回のテロリストと組んでいる。それもCIA業務として。(ラスト、その担当者は今回のミスとして降格され、ボンドに情報を流した部下が昇進する。あくまでも業務上の政治的な判断ミスにすぎないのです)

 「ジェイソンボーンシリーズ」の影響もあるように思います。もしかしてプロデューサーが、あれを見て現代の007の方向性を見出したのかもしれません。

 まあ、それにしてもちょっと悪役が、弱い。世界を震え上がらせるような悪じゃあない。だまして利権を獲得することが目的。動機が弱い(?)からか、いまいちの敵役でした。

 上司のMが女性というのも、今までと別なニュアンスを与えていると思いました。これはピアース・ブロスナンのボンド時代からのMと同じ役者(ジュディ・デンチ)ですが、ピアース・ブロスナン版は、女性Mという設定は、あまり意味がなかった。ちょっと女性問題で「おいた」をするボンドを以前の男Mより敏感だったぐらい。
 今回のダニエル・クレイグ版は、Mのことをボンドが「母のような存在」と言います。ストーリーも愛した女性の復讐がひとつありますが(ボンドはあくまでも任務と言っている)、ボンドは、Mを狙った相手を突き止める、とも言っています。ラストでは、Mに「MI6に復帰する意思はあるか?」と聞かれ、「私は任務を離れたつもりはありません」と言ったり。いつ味方が裏切るか、誰が自分を狙っているか、誰も信用できないなかで、唯一、ボンドが信頼する「母」的な存在なのです。結局今回は、このことを明確にするのがひとつのねらいだったのかもしれません。その分、女性関係は極力排したのかもしれません。そういえば、唯一ベットをともにした女性が殺されたときは、Mに叱られいました。こんなボンドは見た事がない。今後もお色気シーンは期待できないかもしれません。

 演出はいたってまじめ。細かいカット割りはやはり今どきのアクション映画、「ダークナイト」や「ジェイソンボーンシリーズ」を彷彿させます。カーチェイス、船チェイスは、あまりにせわしいカット割りで、相手がどこにいるのか位置関係が分かりずらい。ただまじめに計算してカット割をしている。「韻を踏む」ように、似たうごきのリフレインがあったり。それが効果を上げていたかどうかは別ですが。

 ボンドがバイクに乗ったシーンは、「大脱走」を思い出しました。女性と砂漠を二人歩くシーンは「ゲッタウエイ」のゴミ捨て場を歩くシーンを思い出します。ダニエル・クレイグは、マックイーン似でどうしてもマックイーンの影を追ってしまいます。

 まだ、書き足りないのですが、とりとめもないので止めます。
 また見直したくなる作品でした。


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