2009/8/9

エグザイル/絆  映画

 昨年公開された香港フィルムノワール。

 香港フィルムノワール(ギャング映画)は、80年代ジョン・ウー監督の「男たちの挽歌」がまっさきに頭にに浮かびますが、私は、この映画シリーズはまったくダメでした。あのケレン味たっぷりな思わせぶりたっぷりな演出と、やたら暑苦しい男の友情が、まったく興ざめでした(思えば、あのころからジョン・ウーが好きじゃなかったですね)。

 この映画は、そのまったく内容を継承したような映画ですが、センスにおいて、数段ジョン・ウーより上です。

 出だしがいいです。見るからに「ギャング」な二人二組の男たちが、ある男を訪ねくる。本人は不在。妻とまだ1ヶ月の赤ちゃんがいるだけ。とりあえず外で待つ男たち。ただならぬ雰囲気が漂います。そこに労働者風の男が帰ってきます。それぞれが、銃がある腰に手を近づけながら、男を追います。そして、その男の部屋で、訳が分からないまま銃撃戦。やたら派手な銃撃戦のわりに誰も撃たれない。何で?と思って見ていると、彼らが幼なじみの親友同士だと分かる。それから一緒に撃った家具を直したり、一緒に食事をするのも面白い。

 内容は、ボスを狙った男を、殺しに親友だった男たちが来る。それを阻止しようと別な親友たちが来る。それで結局、幼なじみ同士。団結してボスを狙った男を逃がそうとする。それに金塊強奪の話がからんで‥という話で、意外と薄っぺらな話。ほとんど撃ち合いシーンや見せ場作りのためのストーリー。

 だから、シーンシーンがやたら凝っています。銃撃戦もやたら華麗。ケレン味たっぷり。ケレン味たっぷりな撮り方はあまり好きじゃないのですが、意外と見せる。スローモーションを多用してサム・ペキンパーの進化系のような銃撃戦を見せてくれます。そういえば、飛び散る血も、今風の血けむり。進化しています。(CGであと付け?)

 ラストには、サム・ペキンパーの傑作「ワイルドバンチ」を思わせる男の友情を見せます。ラストの銃撃戦は、ジョン・ウーというより、やはりサム・ペキンパーを意識している感じです。
 
 フランスのジャン・ピエール・メルビルの作品や、マカロニウエスタンのセルジオ・レオーネの作品、それにサム・ペキンパーの作品など、「男の子」なら好きになる映画の面影が所々に見られて、そんなところも楽しい映画でした。

 役者は、「インファナル・アフェア」に出ていたアンソニー・ウォンやフランシス・ンがいつもどおりに良かったですが、それ以上にボス役のサイモン・ヤムがなかなかいい。やっぱり敵役が憎たらしいほどでないと。

 それに、途中のエピソードの金塊輸送車の警官と仲間になる話もいいです。まるでジャン・ピエール・メルビルの「仁義」みたい。

 こういうくだらない、撃ち合いシーンばかりの、それでいてしっかり男の友情を感じさせる映画って、多分、作っている側が一番楽しんでいるんでは?と思えます。
 本当には、死にたくないけど、映画のなかでは、カッコ良く死にたいですから。「男の子」なら。

☆☆☆.5。


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