2011/6/5

「マイ・バック・ページ」  映画

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 妻夫木聡主演の「マイ・バック・ページ」を今日午前中に見てきました。ワーナーマイカルの新潟南で。朝早い回のせいか、数名(5名くらい)で見ました。テレビでは大ヒット上映中と言っていましたが。

 原作は、映画や文芸評論家の川本三郎の実体験の同名原作。週刊誌記者沢田(妻夫木聡)は、学生運動の活動家梅山(松山ケンイチ)と出会い付き合いが始まる。その後の自衛隊員殺害事件の首謀者として梅山を取材するなかで、犯人蔵匿及び証拠隠滅の罪問われた。その交流と挫折を描いています。

☆☆☆。(☆5コが満点)

 好きな監督山下敦弘の作品だったので、期待が大きかったですが、ちょっと残念でした。力作ですが。

 今回は今までのオフビートの作風は影を潜めてまとも(?)な作風でした。この監督は、私は現代の「溝口健二」だと勝手に思っています。内容よりもシーンシーンの作り込みが凄い。それだけで映画として成立させる力がある監督だと思っています。

 今回も同様にシーンの作り込みは素晴らしいのですが、ちょっと単調(考えてみれば他の作品でもそうでしたが)。今回はとくにそれを感じます、ちょっと見るのに我慢がいります。そしてラスト。このラストが素晴らしい。泣けるラストです。まさしく作り込みの成果です。ラストは、妻夫木のアップの長回しで終わりますが、これが画面から見えない飲み屋のざわめきが効果的でした。

 ストーリーが単調になっているのは意図的なのかもしれませんが、多分肝心のもう一方の主役の松山ケンイチの役がもう一つ描ききれていないからかな、と思います。それは原作でもそうなのかもしれませんが、活字と違い目に見える映像では、相対するもう一方の主役をもっと掘り下げて描くべきなのでは?と思いました。彼がボヤッとした人物造形なのでいまいちストーリーも弾まない気がします。松山ケンイチは、本物になりたがっていたエセ運動家をうまく演じていましたが。

 肝心の学生運動の流れが見えず、主人公(妻夫木)がそれに対して「動かない自分にいらだつ」という位置がいまひとつ見る側に迫ってこない。それは、やはり学生運動に対して思いのない世代の監督のせいかもしれません。一定の距離を持って描かれています。だから「学生運動」のいい加減さはよく感じられますが、あのときの熱のようなものは伝わらない。そういう意味では、いつもの彼の作風の全体が熱くならないオフビートな映画になっているのかもしれません。
 ただ、ラスト、個人のレベル(主役)は、熱くなります。妻夫木がいい演技をして終わります。っと書いてくるといい映画だったと思えてきました。

 男が泣けるいい映画でした。まるで「真夜中のカウボーイ」みたい、かな?
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