2012/11/13

「アウトレイジ・ビヨンド」  映画

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 久々に劇場で映画を見ました。気になっていたタケシの「アウトレイジ・ビヨンド」。
 ☆☆☆。(☆5個が満点)

 思ったよりつまらなかった、というのが第一印象。

 出だしはかなり良くて、「仁義なき戦い」のような話と知っていたので、あの「仁義〜」が東映印のチープなセットでチープなステージガンで演じていたのと違い、それこそあの頃から見ればアメリカ映画のような画質の、豪華な「やくざ映画」が見られると期待をしながら、いいぞ、いいぞ、と思いつつ見ていました。
 話は前作より綿密で、たしかに「仁義なき戦い」のような筋でした。それはそれでいいのですが、けっこうこの筋にまじめに撮っている北野監督が、なんかあまり魅力を感じないのです。

 北野監督は、今回、何をテーマにして撮っているのかな、というのが見えないように思えました。

 本音を話さない駆け引きと、男同士のあの怒鳴り合いを楽しめたなら、面白いと思えるかもしれません。彼らには、まったく女(妻、愛人)も家族も出てきません。その意味ではその純粋さはハードボイルドな世界です。男のみ。

 ただ、話の筋からどうしても「仁義なき戦い」を比較してしまうのです。「仁義〜」に比べて人物の造形が浅いように思います。彼らそれぞれの背景が見えない、というか感じないのです。「仁義〜」はその点、魅力的な人物が騙し合って罵り合って、弱音を吐いて面白かったと思えるのです。かたや「アウト〜」は、背景を感じさせない点も、ある意味ハードボイルドな感じにも思えます。それを浅いと思うかクールに思うか。

 ただ、ハードボイルドに決めるなら、やはりアクションシーンはより残酷に、よりリアルに、銃撃戦も、華麗にやってほしかった、と思います。今までのタケシならできるのですから。銃撃戦は、引きの画がほとんど。撃たれた相手はフレームの外だったり、ましてや黒沢明の「影武者」を彷彿させるような、銃撃戦は省略して死体が転がってしるシーンを移動で見せたり。
もう銃撃戦は飽きた、と言わんばかりなのです。

 私は、男たちの言葉の攻防をしっかり描くなら、その結果のアクションシーンも凄惨にリアルに描くべきだったと思います。

 マイケル・マンの「パブリック・エネミーズ」の面白さは、人間のハードボイルドな描き方はもちろん、銃撃戦の凄さが面白い。捜査官役のクリスチャン・ベイルが、屋外の燦々と太陽が当たるなか、野原で、凶悪犯を走りながら狙撃するシーンがありますが、そのシーンだけでもドキドキする、胸のすくような、何度でも見たくなるような素晴しいシーンでした。

 タケシの今回のアウトレイジは、乾いた現象世界を漉くって描くなら(人間をとことん描かないなら)、アクションシーンも乾いたどん欲さで描いて欲しかったというのが私の感想です。
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