2006/9/13

ミュンヘン」&「SAYURI  映画

 「9.11」のテロから一昨日で、5年経ちました。

 それに関連するような映画「ミュンヘン」(スティーブン・スピルバーグ監督)を見ました。DVDは予約をして買ってあったのですが、見る時間が取れなくて見ていませんでした。

 正直言ってつまらなかったです。

 でもつまらないで片付けられない問題を抱えた映画でした。なかなか、複雑な味わいです。

 スピルバーグもののなかでリアルな映画系(勝手に分けると)のなかでもまだ「シンドラーのリスト」は映画として面白かったです。
ただ、この映画はあえて映画的な面白さを極力押さえた感じです。
でも、面白くないと言って簡単に否定できる映画でもなく、見た後に重たく沈殿するものを感じます。
 スピルバーグの信念を感じますし、キャリアを重ねての今だから作れる映画とも思えます。イスラエル、パレスチナ、どちらに利があるというような不毛な観点ではなく、暴力には暴力で対抗していった先の個々に押し寄せる重圧、不安、悲劇を静かに描いていきます。その眼は主人公に共感し、主人公の悲しみを理解しようとする姿勢であり、この映画の作る動機ともいえる部分と思えます。国対国の論理、あるいは民族対民族の論理の果てにある個々の人間の悲劇を静かに訴えています。
 この手法はただ悲劇的な民族をリアルに残酷に描いた「シンドラーのリスト」にはない、もっと高い位置というか、もっと民族を超えて人間としての悲劇として描いていると思えます。
 ラストに貿易センタービルがさりげなく遠景に見え、その後の悲劇を見る側に考えさせます。暴力の連鎖のむなしさを。そしてそれが今も続いている現実を。
 本当に世界は病んでいるのですね。日本人には、ちょっと理解しづらい部分です。

 点数をあえてつけるなら☆☆☆☆(☆5個満点で)です。
 


 それと「SAYURI」もようやく見ました。買い置きしておいて2ヶ月近く見ていませんでした。

 これは、面白い。単純に面白かったですね。「ミュンヘン」と違い、まったく作られた世界の楽しさがありました。アクション映画のようなキャメラワークとカッティング、構図も日本的な平面的ではなく奥行きのある構図が多く、日本風(ちょっとアジアンテイスト)な世界をしっかり構築されています。西洋人のフィルターを通すと日本はこんな風に見えるのかと驚きました。とても緻密に作られた人口的な世界です。日本映画にはない厚みを感じさせます。
 まあ、細かい点を見ると日本風なだけで私たちの住んでいる日本とはまったく違います(日常で日本語まじりの英語を話す日本ですし)。登場人物やストーリーもところどころ腑に落ちない点がありますが、勢いがあり私は気にしないで見られました。

 ミッシェル・ヨーは倍賞美津子そっくりですね。渡辺謙は、安定感があります。コン・リーは貧相で役者名を後で知るまで分かりませんでした。役所広司もいつもながらいいですね。桃井かおりははまり役でした。工藤夕貴はいい役者になりました(桃井かおりよりクレジットタイトルの順番が前なのですね!国際的なキャリアの違いですね)。チャン・ツィイーも普通に良かった。でも一番よかったのは子役の子(大後寿々花)です。

 点数は☆☆☆半!
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