■コリアン・マイノリティ研究会第210回月例研究会
「韓国語教育における「言語・国・民族・文化」を問い直す試み―初級韓国語学習者は「多様な目標言語話者」との対話から何を学んだのか−」
李鉉淑/イヒョンスク(コリア国際学園)
近年、言語教育においても「多様性」に関する議論が活発に行われるようになった。本発表は、「学習者の多様性」及び「目標言語話者の多様性」についての意識化を目的とし、2021 年度後期にA大学の初級韓国語で実施したビジターセッション活動を紹介する。
実施方法については、ZOOM を用いたオンラインと対面のハイブリッド型で行われ、そこで複言語・複文化環境で育った「多様な目標言語話者」3人(在日コリアン、朝鮮族、高麗人)との対話を試みた。対話は、言語使用や国籍、家庭の文化、アイデンティティなどの内容で行われた。
活動後の振り返りから、学生たちは、3 人との対話を通して「在日コリアンが身近にかなりいることを知った」や「国など関係なく一人の友達として出会えてよかった」「韓国人だからみんな韓国語をしゃべれるわけではないことに気づいた」「韓国以外の地域でも韓国の文化が継承されていることを知った」などの意見が得られ、「韓国語=韓国人=韓国=韓国文化」といった視点に変化が見られた。
また、韓国にルーツのある学習者による自己開示や「朝鮮人という理由でクラスの友達を差別した過去の経験」について内省する学生の姿もみられた。それに加え、目標言語話者として参加した学習者の一人は、「これから受け身ではなく、自分たちの存在をより多くの人に発信していきたい」と述べ、エンパワメントの可能性も示唆された。
今後韓国語教育における「多様性」を意識した深い学びにつながると期待できるのではないだろうか。
日 時:3月19日(土)17:30〜19:30
場 所:NPO法人猪飼野セッパラム文庫 090-9882-1663
近鉄「大阪上本町駅」から8分・地下鉄「谷町九丁目駅」
環状線「桃谷駅」から10分
環状線・地下鉄・近鉄「鶴橋駅」から15分
参加費:800円・会員600円・学生以下無料 どなたでも大歓迎! 【要予約】 masipon@nifty.com
主 催:コリアン・マイノリティ研究会
https://sepparam-bunko.jimdo.com
■河合塾「日韓文化交流研究会」・NPO法人猪飼野セッパラム文庫「映像で見る朝鮮/韓国/在日」第67回上映会
「映像作家イギル・ボラがまなざす〈現実(リアル)〉―生の輝きを見つめ、戦争の暴力を問う―」
【第1部】13:30〜
@『きらめく拍手の音』(2014年/80分)上映
http://www.kirameku-hakusyu.com/
聴こえる「わたし」が見つめる、聴こえない両親の世界。表情ゆたかな手話が交差する、静かだけれどにぎやかな家族のものがたり
Aイギル・ボラ監督からのビデオメッセージ
【第2部】15:40〜
@『記憶の戦争』(2018年/79分)上映
https://www.sumomo-inc.com/kiokunosensou
イギル・ボラ監督が、全員女性の制作陣とともに、韓国軍による「ベトナム民間人虐殺」の記憶について、当事者たちの生々しい証言の数々を記録したドキュメンタリー
A「ベトナム戦争と韓国」『藤井たけしの韓国現代史講座〈番外編〉』
藤井たけし(東京外国語大学教員)
日 時:3月20日(日)13:30〜17:30 ※コロナ対策をしっかりします。
場 所:元・辻本写真館(大阪市生野区新今里2-9-16)目印は「新今里公園」東北角
https://www.ekiten.jp/shop_5729436/map/
近鉄今里駅徒歩5分・地下鉄今里駅徒歩10分
参加費:1500円(経済的にきびしい方はご相談ください)・学生1000円 【要予約】先着25名様 masipon@nifty.com
共 催:河合塾「日韓文化交流研究会」・NPO法人猪飼野セッパラム文庫

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