滝川水系の探釣(奥秩父)

2019/1/18 | 投稿者: クロちゃん

2006年4月15日

参加者 キイくん、トンちゃん(ブラザース兄)、幸四郎さん(ブラザース弟)、クロちゃん


辿り着いた広場で倒れこむ幸四郎

精魂尽き果てて、荒れた杣道を抜け出た。
疲労と安堵感が共棲する。このまましばら
く起き上がれなかった。1.2.3……。テン
カウントは非情に続いている。(ーー;) ……

分かるよ、その気持ち。良くがんばった。

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 私の提案に喜び勇んで、昨年、柳小屋に同行したブラザースがやって来た。昨年、真の沢で奥秩父の岩魚にすっかり魅せられたブラザースは秩父の渓流通いを続けている。綺麗な岩魚を釣り上げたときの感激は人並み以上だ。傍らで見ている私の方が感動させられる。彼等にとって、奥秩父は憧れの地のようだ。今回の釣行に際して、私の出した案内は、次のようなものだった。

1.昨年の春実績のある場所で、期待がもてます。(ただし、先行者がいた場合は別です)
2.柳小屋に比べて歩行時間が短く楽ですが道が荒れています。(往路2時間半くらい)
3.水冷の儀式があります。しかし、突破は容易です。
4.帰路に40分程度の登りがありますので、昼に酔っ払い過ぎないように注意してください。
5.今年の状況は分かりませんが、綺麗な秩父岩魚に出会えると思います。

果たして、甘い誘惑にのせられてブラザースはやって来た。

出会いの丘駐車場には、釣り人と思われる車1台しかなかった。思わずニンマリしてしまう。しかし、トンネル手前の林道入口に駐車している車が気にかかる。林道から杣道を辿る、確実に滝川の奥地への釣りだと直感した。

豆焼橋を渡り、その車を見て更に思った。以前、釣行時に何度か出合っている釣り人に「春は滝川水系で良い思いをしているよ。」と聞いたことを思い出した。その釣り人の車に似ている。確信はない。しかし、状況からみて間違いないだろうと思った。無論、この場では半信半疑ではあった。

「今日は先行者がいるかもしれません。同じ場所に入っていると思います。気が合っちゃいましたね。(^o^)」
私は涼しく何事もないように他のメンバーに告げた。先行者がいようがいまいが、今更場所の変更などの考えは毛頭なかった。もちろん、他のメンバーは滝川水系に疎くそんなことを考える余地はない。今日の行動は私の一存で決まるのだ。故に私に課せられた責任は重いのだ。

林道終点から雁坂小屋への登山道分岐を過ぎ、最初の入渓地点への下降路を見つめた。踏跡はない。真新しい踏跡は奥へと進んでいる。この先の杣道はだいぶ荒れていた。崩れた箇所あり、倒木ありで障害物が行く手を塞ぎ、余分な疲労を蓄積させて行く。
やがて金山沢と直蔵淵への下降地点。ここも下降した形跡がなかった。我々の目的地とした入渓場所はまだ先だ。真新しい踏跡は確実にその方向に向っていた。予感的中の確立は高まった。

「柳小屋のほうが楽な気がする。」ブラザースの正直な感想だ。確かに年々荒れては来ていたが、これほどとは想定していなかった。獣道程度の片足分しか幅のない道が続く。滑ってバランスを崩したら、楽に渓に着けるだろうと思われる場所が連続した。楽に着けるかもしれないが、ただ事では済まない状態になっての到着では意味がない。運良く途中の立木で止まっても、道まで登るのが大変だ。否応なしに緊張した慎重な歩行となる。
「火うち石」まで来た頃には皆無口になっていた。「もう少し、あとちょっと。」と元気づける。

下降地点を降る。
「えーっ、帰りはここを登るんですよね!?」
「はい、40分の登りです。」
ブラザースは帰りのことを心配している。“とんでもない所へ来てしまった”という文字が顔に浮かんでいる。それでも、渓に近づき清冽な流れを見た途端、目の色が変わった。
「すっげー、良いところですねー。あっ、あそこには絶対いますよ!」初めて見る滝川の流れに感動している。

そうなんだよな。通い続けている私は感動することを忘れていたが、初めて見る滝川上流域は感動ものなんだよね。
ここに先行者と思(おぼ)しき荷物がデポされていた。それでも、感動の滝川水系に竿を出す。水は冷たい。腰上までの徒渉では冷たすぎて足がジンジンして痛いような錯覚を覚えた。幸四郎さんは泣き笑いの顔で飛び跳ねている。さすがにトンちゃんは平然とした顔で笑っている。「ウェー、つめてー!」と言いながら皆楽しんでいるようだ。

昨年に比べると水が冷たすぎる。今年はまだ時期尚早か。それに加えて先行者の存在。釣果が期待できないことは明白だ。昼までと時間を決めて釣り遡った。私の竿に21cmの岩魚がかかるが、やはり食いは渋い。

上流でキイくんが竿を曲げている。玉網を取り出した。「大物か?」と思った瞬間抜きあげる。岩魚を玉網に入れたと思ったら、玉網から飛び出しブラブラ空中散歩させている。これを2〜3回繰り返している。それを下で見ていた私と幸四郎さんはクスクス笑ってしまった。(失礼)
仕掛けが短いので、上手く玉網に納まらないのだ。2人駆け寄り、釣果の獲物を見れば丸々太った良型だ。キイくんは満足そうにカメラを取り出している。キイくんにして今シーズンの初ヒットだ。

苦労してここまで来たブラザースに何とか釣果をと思い先行してもらうが、なかなか思い通りにはさせてくれないのが今日の状況だ。魚信のないまま昼近くなってしまった。キイくんが焚き火の準備をし、私は昼のメイン料理の天ぷら準備している間、ブラザースには釣っていてもらうことにした。捕った川虫を二人に渡した。

まもなく幸四郎さんに待望のヒット。キイくんが玉網を持って駆け寄った。見事なコンビネーションでゲットする。「良かった、良かった。」と破顔で興奮ぎみの幸四郎さんと喜びを分かち合った。
幸四郎さんは川虫で釣ったのも初めてで、そのことにも感動しているようだ。
トンちゃんは「川虫って噛み付きませんか?」なんて言っている。相当の虫嫌いと見た。

昼食はビールの乾杯で始まった。メインの天ぷらは持参したタラの芽と釣果の岩魚そしてブラザースが持参した海老と豪華版だ。いつものようにグビグビ飲むキイくんと私とは対照的に帰路を心配してかブラザースの飲みは控えめだった。
「良いところですねー。」
「このまま、ここに泊りたいなあ。」
「どこでもドアがあればいいのになあ。」
なんて言ってます。帰路のコースが相当心配のようだ。

午後2時に出発の予定として焚き火の傍に寝転んだ。春の柔らかな陽射しが心地よい。そんな時間を過ごしていると上流から2人の釣り人が戻って来た。予想通り、以前の釣行時に何度か出合っている釣り人だった。軽く挨拶を交わし釣果を尋ねると2人で1尾とのこと。スーパー袋に入れて生かしていた岩魚をこの場でリリースした。
やはり、今年は釣果が芳しくないとのこと。今年の滝川の盛期はこれからなんだろうと思った。

サッと後片付けをして帰路に着いた。40分の予定の登りは45分で杣道に到着した。直蔵淵への下降地点で「あと15分で広場です。」と告げる。
「ほんとですかー。良かったー。」ブラザースの顔に安堵の色が浮かんだ。
「はい、普通の人は15分です。」
「はぁ?普通の人ですか?」
荒れた杣道は慣れた私には何でもない道だが、日頃デスクワークの環境にいるブラザースには相当こたえたようだ。疲労に加えて急斜面の恐怖心からゆっくり慎重に歩いた。
これは私の計算外だった。迂闊にも慣れないブラザースを厳しい環境の滝川探釣に誘ってしまったことを少なからず反省した。しかし、無事笑顔で健闘を称えあえ、喜んでいただいたことで今回の釣行は成功したと自負している。車から歩き始めたのが朝6時15分。車に到着したのが午後6時頃。実に12時間を費やした釣行だった。

大滝温泉でようやく人間の世界に返ってきたことを実感し、秩父駅前の小さなお店「ばりんち」で下山祝い。緊張が解けた安堵感から私は急に睡魔に襲われた。私が一番酒に弱いのか……。

そして、ブラザースの伝説が始まった。

ここが本当に下降のルートなんですか?
他にもっと楽なルートないんですか?
安心してください。ここが一番楽なんです。
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冷えた足を暖めて……。
でも、帰りにまた水に濡れるよ。
でも焚き火はありがたい。
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岩をヘツリヘツリ冷たい徒渉から脱出する。
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立て!立つんだ幸四郎!!!
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