奥秩父・滝川「渓の躍動感」

2019/1/22 | 投稿者: クロちゃん

2006年6月3日

2名

渓の相性というものがあるとすれば、私は奥秩父・滝川の相性が良い。それは、通い慣れた私の渓の本拠地としての位置づけにある滝川は滅多なことでは裏切らないのである。休日しか渓遊びができない私にとって、そこはいつも優しく受け入れてくれる場所であった。そして、今日も奥秩父・滝川の道を辿る……。

「オイラ、夕べ1時間半しか寝てないから調子悪くなったら帰る。今日行く場所の帰りはどの位(時間が)かかる?」
PCのトラブルで深夜遅くまで復旧に手間取ったというキイくんは朝から弱気モードの連発である。
「オイラ、どうせ釣れないから少し竿を出せば……。いや、出さなくてもいいや。早く帰ろうぜ。」
キイくんは出掛ける時から帰りの話をしていた。
「今日は雨になるそうだ。雨が降りだす前に帰ろうぜ。」
出会いの丘駐車場に到着する頃には雲の切れ間から太陽が顔を覗かせていた。

豆焼橋から工事中の林道を歩く。
「ゆっくり歩こうぜ。何しろオイラ1時間ちょっとしか寝てないんだ。」
キイくんは快調なペースで歩いている。いや、むしろ、いつもより早いペースだ。
砂ボコリを上げて1台の車が走り去った。罪の意識があるのか凄い勢いで私たちを追い抜いて行った。進入禁止の林道を走る車は特に此処に限った訳ではないが、後に「あの車大丈夫かな?」と私たちが余計な心配をすることになる。

今回は滝川本流を釣り遡る予定だ。先行者がいようがいまいが決めた場所の変更は微塵も考えていなかった。踏み跡が乱れて判りづらい斜面を下降する。今日は、どうやら此処から渓には降りていないようだ。斜面の勾配は結構きつく立木を頼りに降りて行った。汗が流れ落ちる頃、ようやく滝川の流れが見えた。川への最後の途を目指すと前方に焚き火の煙が見えた。「竿を出す前に今日の釣行は終わったな。気の合う釣り人がいたねー。」と苦笑いを浮かべて焚き火に近付いた。
焚き火の主は若い青年で、「私はやりませんから、どうぞ釣ってください。」と準備した竿を仕舞い始めた。しばらく話をしたが、感じの良い好青年だった。快く譲っていただき礼を告げて竿を出す。

始めてすぐに渓の躍動感が伝わってきた。季節も盛期であり岩魚の曳きは強い。躍動感を充分堪能させてくれた。笑顔ニコニコである。
私のすぐ上でキイくんがバラす。
「オイラ、夕べ1時間ちょっとしか寝てないから今日はダメなんだよ。」と言うキイくんは残念そうな顔だ。しかし、明らかに顔つきが変わっている。
少し上流のポイントで岩魚を釣り上げたが何とも小さい。
「これから、20cm、25cmと大きくなっていくんだよ。」なんて言ってます。これはあながちウソではなかった。事実、釣り上げる度に型が良くなっていった。

あるポイントで……。
目印が流れを逆らって上流に動いた。すかさず合わせるが餌だけ取られてバラした。これを一緒に見ていたキイくんが「交代、交代!」と言って竿を出す。同じ所で魚信があったようだが、めでたくバラす。いつの間にかニコニコ顔になっている。
直蔵淵までと決めていたので、ここで納竿として朝昼餉(朝飯には遅く昼飯には早い時間)とする。
初夏の爽やかな風が吹きぬけ心地好い気分だ。ビールを飲み、渓の風を肌で感じる幸福なひと時であった。

急斜面を喘ぎ登り、広場に辿り着いたときキイくんから発せられた言葉は「今日は楽しかったな〜。」であった。睡眠不足の顔は何処かへ消えていた。

帰路、朝来るときには道の端に置いてあった工事の重機が道の真ん中に置いてあった。
「えーっ、広場に止めた人、困るだろうなぁ。」
「まあ、自業自得と言えば自業自得なんだけどね。どうするんでしょ。帰れないよ。」
他人のこととは言え、心配する2人であった。

広場に止めた車がその後どうなったかは私は知らない。

立木を頼りに渓に向う
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渓の躍動感が伝わり笑顔ニコニコ
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うーん、ようやく来たね
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直蔵淵は静かに清らかに
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過去の記録ですが、このブログにできるだけホームページ「山遊びの貯金箱」の記事を移行して残そう作戦敢行中




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