奥秩父「柳小屋への道」U

2019/1/23 | 投稿者: クロちゃん

2006年6月10日〜11日

単独

柳小屋への道

 柳小屋へ辿りし道は、入川渓流観光釣場の手前の林道脇にある駐車スペースから始まる。これはマイカーが前提なので、電車・バスを乗り継いだ場合、もっと手前の川又バス停からになる。
私は主にマイカー釣行であるので、マイカーを利用したことを前提に記する。
入川渓流観光釣場の手前の林道脇は休日ともなれば、釣り人の車で早朝から満杯になることが多い。ここには4〜5台の駐車スペースしかないのだ。満杯の場合、少し戻って駐車スペースを見つけるか、その先の観光釣り場に駐車場を求めることになる。観光釣り場の駐車場は1日500円の有料で置かせてくれる。午前7時過ぎに管理人さんが来るから駐車料金を払って止めさせていただこう。

さて、駐車スペースに車を置いたら、まずは準備運動だ。これから先の長い道のりに軽く身体を暖めておこう。貴重品は必ず身に着けて行くのもお忘れなく、念のためです。
観光釣り場に一般車通行止めのゲートがある。ゲートの左右どちらも歩きの通過は容易だ。しばらくは砂利道の車道歩きとなる。焦ってはいけない。この林道歩きはゆっくりと体調を確かめながら歩くのが肝要だ。ここで、ハイペースになるとこの先バテることになりますよ。

奥秩父の自然林の中をしばらく歩いていくと、右から矢竹沢が小滝が連なって流れ落ちる。この先ちょっとした傾斜になると左手に軌道跡の入口が見えてくる。入口にはゲートがあるので見逃さないようにね。ここまで、通常20分位かな。入川の蒼い流れに沿って軌道跡は上流へと続いている。5分位で道標が現われる。更に進むと小赤沢の出会いに道標がある。軌道入口からここまで約20分。入川の水量が少なくなり(時期によっては伏流する)と左前方に取水提と建物が見えてくる。ここを過ぎれば赤沢谷出会いはすぐだ。取水提の上流は今までの細流がウソのように入川本来の流れが奔流している。期待が膨らむ瞬間だ。赤沢谷出会いには、小赤沢出会いの道標から20分。木製ベンチがあり一休みだ。朝食がまだならここで食事をしよう。涼風が暑くなった身体を冷やしてくれる。

さて、ここからが正念場だ。きつい登りが待っている。約15分の牛歩戦術で登りきれば道は平坦になる。5分ほど平坦な道を進むと赤沢谷上流への道との分岐だ。ここにも道標が設けられている。ここから更に登りとなる。カメの如くゆっくり登り約20分で登りつめる。ここが、柳小屋への道の標高最高地点である。道標もある。ここから先は多少のアップダウンはあるが、平坦な道のりとなる。次の道標が現われると、そこは金山沢への下降地点だ。先ほどの道標から約40分。柳小屋へは残り1時間だ。
今年になってだと思うが、途中大規模な崩落があったようで、ちょっと緊張する場所もあるが、大丈夫、踏み跡を忠実に辿れば無事通過できる。清冽な流れを眼下に見て、最後の登りを「よっこらせ」と登りきれば、道は平坦になり、やがて下りになる。道が川と平行になって近付いた先、1メートルくらい道が途切れた場所を通過すれば柳小屋である。そこは別天地の世界だ。まるで、ミニチュア上高地のように小屋の前に吊り橋が架かっている。小屋にはニコニコしながら入ろう。

崩落場所は慎重に通過しましょう。
踏み跡を忠実に辿れば問題なく行ける。

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柳小屋にて

 石を敷いてある階段状を登り、小屋の入口を開けると先客が酒を飲んでいた。「こんにちはー。」と明るく挨拶すれば「あれーっ!!」と笑顔で出迎えてくれたのは渓のあちこちで行き会う見慣れた顔だった。柳小屋は昨日から泊り6人だという。「噂、してたんだよ。クシャミ出なかったかい?」なんて歓迎される。
ところで、今回の私の目的は千丈の滝上なのだ。そのために重たいテントを担いできたのだった。
「今夜は楽しくなるなー。実は秩父EXの人達も3人来てるんだよ。」なんて言われて、ますますなつかしく、このまま柳小屋に泊ろうかと考えがよぎったのだが、自分で決めた目的を果したい一心で「今回は、もう少し上にテント張ろうと思ってきました。」って丁重に誘いを断る。「それは残念だなー。」なんて言われるものだから、またも心が動きそうになったが、そこは男の子(昔の……)。決めたことをやり遂げたい。休憩を兼ねてしばしの談義のあと、後ろ髪を引かれる思いで柳小屋を後にした。
それでも、しばらくの間、未練が残っていて柳小屋へ引き返そうとも思ったが、ここで挫折してはいけないという強い信念で真の沢林道を辿った。(うーむ、私にしてはかっこいいな。)


千丈の滝上にて

 其処は神の領域、岩魚の聖地と感じた。数年前に、この地に一夜の宿を求めたときと違った風が流れていた。幕営を済ませると竿を片手に出掛けることにした。千丈の滝下に行こうかとも考えたが、柳小屋に泊っている人達が訪れるかもしれないので止めることにした。(うーむ、私は優しいなあ)
餌は柳小屋周辺で調達した20匹くらいの川虫だ。釣果については触れないでおこう。ここは神の領域、神の申し子岩魚の聖地なのだ。でも、少しだけ……。
30分で竿を仕舞った。テントに戻り昼食とした。冷やしたビールを飲み干し横になった。心地好い疲労感と何とも言えない至福の時間が過ぎていく。
「さて、どうすべ?」
再び竿を持ち、ちょっかいを出しに上流へ向う。生かしビク(ネットです)を片手に釣り遡る。2尾だけキープすればと決めていた。ネットの中の岩魚は型の大きいのに次々と入れ替わっていった。いつもネットの中は2尾です。最大28cm、食いついてくる岩魚はどれも型が良い。そのうち、欲が出たのか水の流れに入れたネットの中には3尾に増えていた。「まっいいか。」などと自問自答しながら竿を出した。釣った距離は100メートルにも満たなかった。時間にして1時間半くらいだったろうな。

もう一つ今回の目的があった。それは千丈の滝だ。千丈の滝と正面から向き合いたかった。天気情報では、今日も明日も好天が約束されている。明日、千丈の滝に行こうと決めて幕営地に戻った。岩魚はネットに入れて流れの中に活かしておいた。
夕餉の準備、何故か岩魚を絞める気になれない。持参した食料で酒を飲み、辺りが暗くなる頃快適な寝袋にもぐり込んだ。
久しぶりに持参したウィスキーの水割りが旨く、酔いも早くまわった。さあて、明日は千丈の滝だぜ。川音が遠ざかって行くのを感じて心地好い眠りにつくまで時間を要しなかった。

早朝、タープをたたく雨の音に目が覚める。「え、そんなはずは……。」それは全く予期せぬことだった。「だって……。あれ?どうして……。」事前の予報は晴れマークじゃねーかよ。どうなってんだよ。テントの外に出れば霧が立ち込めて本降りの雨となっていた。この時点で千丈の滝は遠のいていった。

神の申し子の岩魚を捕らえた神の怒りなのか。私は踏み入れてはならない聖域に入り込み神の怒りを駆ってしまったのだろうか。もはや、岩魚を殺生する気持ちもなく捕らえた岩魚を流れに帰した。簡単な朝食(もちろん酒を飲み)この身を清めて朝寝のあと、降り止まぬ雨の中、幕場を片付けこの地を後にした。

真の沢林道から千丈の滝(上段)
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滝上から見た千丈の滝
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昼餉の時間です
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神の申し子は太っていた
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ネットの中からこちらの様子を伺うかのような岩魚
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さよなら、また会おう
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帰路の柳小屋にて

 柳小屋まで約1時間、帰路に小屋の中を覗くと昼宴会の最中であった。
「あっ、酔っ払いの雨男さんですね。お久しぶりです。」なつかしい顔にニコニコしながら挨拶された。そうなのです。柳小屋のノートに記す私の昔のHNは「酔っ払いの雨男」なのです。「私の行くところ必ず雨が降る。」と豪語していたのでした。
「やっぱり、雨が降りましたね〜。昨日、上流へ行ったって聞いていたので噂してたんですよ。」
「威力、抜群でしょ。」
私は笑顔で答えた。最近は、雨男卒業してたと思っていたんだがなー。いやーなつかしいね。なんて、しばし釣り談義。そのうち、初めて柳小屋に訪れたという青年が「あの、もしかしてホームページ書いている人ですか?」と問われてびっくり。
「だんだん、正体がバレちゃいますね。」
何でも、私のホームページを見て柳小屋へ来たとか……。何やら、嬉しいような恥ずかしいような……。
やっぱり、柳小屋に泊れば良かったかな。


今回の忘れ物

 千丈の滝を正面から向かい合うこと。これは身近にあってチャンスを逸してしまったことだ。滝の写真と滝壺の主への挨拶を忘れて来てしまった。白岩沢出会い付近から千丈の滝までの間が私の心残りの空間なのだ。次回、近いうちに忘れ物を取りに参上したいと考えている。



過去の記録ですが、このブログにできるだけホームページ「山遊びの貯金箱」の記事を移行して残そう作戦敢行中





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