滞在していたホテルから演奏会場まで車で移動してみると、なんとMedicine Hat Jazz Festivalで一緒だったグループが
同じステージの早い時間に演奏していました。バックステージで少し彼らと再会し、話してから楽屋入り。
そして今回はなんと、モントリオール入りの前に事前にご連絡をくださっていた在モントリオール日本国総領事夫妻にも
演奏前にステージで待ち合せをしてお会いすることが出来ました!!
演奏前のバックステージはのんびりしようと思っていたのですが、ステージを統率していた女性が、今回のM.C.のために用意していたフランス語を書いた紙を見るなり、「ちょっと話してみなさい!!」という感じで、いきなりフランス語の練習が始まりました。
書いていた内容は意味の通じる文章であまり大きな修正はなかったのですが、勉強した発音とは予想外にかなりイメージが違いました。その紙切れを手に持ったまま、直立不動で何度も発音の練習をすることに・・・。なんだか宿題を忘れて、居残りさせられているような感じもしたのですが、ここでの短いレッスンが非常に役に立ちました。
話していくうちに、実はこの一見厳しそうな女性は2009年に初めてモントリオールで演奏したときにもステージマネージャーを担当してくれていたという事が発覚しました。実に3年ぶりの再会でした。話して行くうちに笑顔も出てきて、あとはしっかりと練習したことをステージで話すのみ!!
フランス語のレッスンと練習に集中していたので、気づけばあっという間に演奏開始の時間に。譜面と見せかけたフランス語のカンニングペーパーとギターを持ってステージに上がると、会場には本当にたくさんの人たちが聞きにきてくれていました。
ギターとピアノのデュオで2曲続けて演奏してから一回目のM.C.・・・。片言でしたが、心配していたフランス語もなんとか通じたみたいで正直かなりホッとしました。すべてをフランス語でというのは難しかったので、半分以上は英語でしたが、やはり言葉が通じるというのは気持ちが伝わるということなので、すごく嬉しくなりました。
今回は僕のオリジナル曲を中心に、ピアノの樋口絢子さんのオリジナル曲「Sansui」をソロピアノで演奏してもらったり。日本の童謡「赤とんぼ」をソロギターで演奏したりと、デュオという編成を最大限に生かせるようにセットリストを組んでみました。
楽しい時間は瞬く間に過ぎていき、いよいよ最後のM.C.、そして最後の曲が終わりました。最後の一音を弾き終わると一瞬の静寂のあとに、会場からスタンディングオベーションが!!
なんだか終わってしまった寂しさとやり遂げた嬉しさ、そして会場からの拍手喝采の中で、何とも言えない不思議な、
そして幸せな気分になりました。
演奏が終わってからはステージクルーのみんな、そしてフランス語を教えてくれたあのステージマネージャーも
嬉しそうな笑顔で迎えてくれました。
そこから車で機材を運び、せっかくなのでモントリオール最後の夜を満喫するべく、またまたフェスティバル会場に行くことに。演奏が終わったのが午後10時だったので、会場に再び繰り出したときにはすでに11時を過ぎていたにも関わらず、どこに行っても驚くほどたくさんの人たち、そして素晴らしい音楽が街中に溢れていました。
ギネスブックで世界一大きなジャズフェスティバルを記録している通りの、まさしく世界最大級のジャズフェスティバルでした。それからホテルに戻る前にタイ料理のファーストフード店で夕食をゲットして、ホテルで打ち上げをしました。
翌朝は前々日の大雨の影響よる電車のダイヤの乱れもなく、予定通りニューヨークへの電車はモントリオールを出発しました。
実は少し前から漠然とはしていましたが、ソロギターアルバムを作りたいと考えていました。でも正直今作るべきなのか、本当に今なのかなと迷っていました。
でも今回のカナダツアーを通して感じたことや、今までのソロ演奏で経験した事、そしてなによりこれまでに一緒に演奏してきた多くの素晴らしいミュージシャンから学んだ事を、ギター1つで1つのアルバムにしようと、ニューヨークへの帰りの電車で決心がつきました。
まだまだ構成の段階ですが、来年には発表できるようにと考えて計画しています。詳細が分かり次第こちらでお知らせしますので、是非お楽しみに!!
最後になりましたが、カナダツアー2013報告は次回が完結編です。その5に続く・・・。

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