ホテル・ルワンダ  DVD・ビデオレビュー

見た日/12月某日 ★★★★

 いやあ、こりゃあ驚いた。この映画は、演出などの技法より、監督の「真実を伝えたい」という“想い”の方が強いのだろう。残念ながらスクリーンではなく小さなテレビサイズではあったが、その想いがキャストにも伝わっていて、残虐な真実と、その痛みが十分伝わってきた力作であり、秀作だった。

 民族紛争で少数民族の大量虐殺が始まり、主人公のホテル支配人は多数派の民族ではあるが、妻は少数民族。彼は家族を守ろうとするが、国連軍の警備があるホテルには続々と難民が集う。彼はあらゆる手を使い、難民たちを守ろうとする。

 愛する家族に銃が突きつけられる。街中で昼間、平気で人がゴキブリ呼ばわれされ簡単に、それも大量に殺される。大人も、子供も関係なく。彼のホテルも決して安全ではない。従業員には裏切り者もいる。国連軍も、海外のマスコミも、同情はしてくれるが、傍観しかできず、正直何の役にも立たない。 

 そんな中で、主人公がどう難民たちや家族を守っていくのか。この映画はドキュメンタリー的な側面を持ちながらも、究極の危機的状況の中で苦悩しながら活躍する主人公を描く、一級のサスペンスにもなっていて、物語としてもすこぶる魅力的な作品になっている。

 かつてあった事件を「映画」で描き、真実を告発するという手法は最近よく見られるが、あえてその映画にエンタテイメント性を持たせることで、より多くの人がその事件に注目する、ということにはなると思う。

 その点、この映画の監督さんはそこを意識しているように思った。真実を伝え、実際にあった事件を忠実に描きながらも、どんな展開になれば観客がドキドキし、胸を奮わせるか、きちんと知ったうえで作っていると感じた。聞けばこの監督さん、北アイルランド紛争の経験者とか。だからこそ、並々ならぬ思いでこの映画を作ったのだろう。

 主演のドン・チードルが好演。チョイ役ではあるが、ホアキン・フェニックスやジャン・レノ、ニック・ノルティらハリウッドの大物たちが出演しているのは、この映画に賛同してのことだろう。

 アメリカでヒットしながら日本公開の目処が立たず、署名運動まで起きて製作から二年経ってようやく今年、日本で公開されたということだが、これだけシネコンが増えて映画産業が盛んになり、ソフト不足が叫ばれる中でこういう映画がすぐに配給できないなんて、ちょっとおかしい、と思う。
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2006/12/27  10:07

投稿者:おたっきー

享年41歳さま、コメントありがとうございます。お久しぶりです。

「キリング・フィールド」も「シンドラーのリスト」も、辛くも素晴らしい映画でしたが、この映画もこれらに勝る辛く、でもいい映画でした。

僕はベトナムに行ったことがありますが、いまだに砲台の跡が街中に残り、南部では枯葉剤による残留ダイオキシンは、30年経った今も障害児が生まれています。

「硫黄島からの手紙」もそうですが、ご指摘のように、確かに映画は感動的ですが、映画によってその事実を伝える、知ってもらう、ということはある面本当に悲劇だし、こうした映画が作られなくなる世の中が本当に必要だと僕も思います。


2006/12/23  18:59

投稿者:芸名亨年41歳、東京支部長

映画「ホテル、ルワンダ」を見たときに、過去に新聞紙上で「隣国のルワンダ国で大虐殺が発生している!」とルワンダの隣国にいる特派員の記事を見た事を思い出しました。記事の内容は「この国とルワンダ国との国境の川で、ルワンダ国側から次から次に大量の虐殺を受けた痕のある遺体が流れ着いている!ルワンダ国内で大掛かりな大虐殺があったみたいだ!」の内容だと記憶しています。当時の私はこの現代で、こんな悲惨な民族紛争が世界各地で起こっている事実を突きつけられました。このような大虐殺の中で人々の命を救った主人公の努力は本当に感動的ですが、カンボジアの大虐殺を題材にした映画「キリングフィールド」やこの「ホテルルワンダ」「シンドラーのリスト」のような映画が作られないような世界に早くなってほしい!チェチェン紛争やパレスチナの様な悲劇が早くなくなる為に、このような映画が大事だとは思いますが、このような映画を作らなくても良い世界が早く来るように祈ります。いや行動しなくてはならないのかも知れません!

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