犬神家の一族  新作レビュー

見た日/12月某日 ★★★

 前作は確か、中学生のときに映画館で見た。確かそれが初めての「市川崑」体験で、独特な明朝体のタイトル、印象的なストップモーション、陰影くっきりの照明など、実に映像的に新鮮だったことを覚えている。スケキヨがマスクを脱ぐシーンなどはかなり恐かった。

 で、30年ぶりのリメイクだが、脚本もカット割りも前作とほとんど同じ、というのであまり期待せずに見たのだが、これがなかなか面白かった。数年前の「八つ墓村」よりかなり面白く、ここ数年の市川監督作品は個人的には今ひとつだっただけに、かなり楽しめた。

 まず、30年前に見て以来だったし、原作小説も確か中学生時代に読んだのだが、お話の細部はほとんど忘れていて、犯人も「誰だったっけ?」という感じだったので、謎解きの場面も興味深く見られた。石坂浩二はやっぱりはまり役で、年齢を重ねたお陰で、「天から降ってきたような」金田一像に、さらに深みを与えていたと思う。

 まあいかにも作り物、という死体や松嶋奈々子の意味不明な行動、一歩間違えば爆笑物の使用人・猿蔵、連続殺人を全く防ぐことができない金田一さんなど、まあ原作がそうだから仕方ないが、突っ込みどころ満載なのもご愛嬌。萬田久子、松坂慶子も思いっきり芝居がかった大げさな演技なのだが、そこも「味」なのだろう。
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