大奥  新作レビュー

見た日/12月某日 ★★★

 東映京都撮影所作品である!

 昨年の「男たちの大和」に続き、東映京都、2年連続で正月映画を当てるとは、さすが、「新幹線大爆破」「鉄道員」「半落ち」などで知られる名プロデューサー・坂上順所長の面目役所だろう。東宝と組むことが多かったフジテレビが、時代劇で東映と組んで正月映画を作った、という点にも注目だ。

 僕は昔「ホタル」のキャンペーンで山口県を訪れた坂上さんを取材したとき、「『新幹線大爆破』でテレビを通じて犯人に涙ながらに爆弾の取り外し方を連絡するよう呼びかける宇津井健のモノマネ」をやって爆笑された、という経験を持つのだが、スクリーンで坂上さんの名前を拝見するたびに「なんてバカなことをやったのだろう」と後悔してしまう。

 聞くと東映京都は閉鎖の話もあったというが、坂上さんが赴任してから生き返ったのだろう。特に今回は正月になると、物語的には多少大味でも、有名な俳優がチョコチョコ出るオールスターキャストで「忠臣蔵」を作っていた往時の東映を彷彿とさせる作品だった。

 テレビシリーズに出演してきた大物俳優たちをちょこちょこと使いながら、主役はシリーズ初となる仲間由紀絵を客演として迎え、豪華絢爛な衣装やセット、実際の文化遺産であるロケ地を駆使。カメラもクレーン撮影をこれでもか、と多様して見せる見せる。

 物語的にはちょっと浅いかな、という感じもするし、主人公の行動も「そんなヤツのために命賭けるの?」という感じなのだが、有名でお芝居にもなっている「絵島生島事件」を上手にアレンジし、見事にテレビシリーズの「大奥」の世界に仕上げていたのは脚本の手腕だろう。今年の正月映画は東宝が「犬神家の一族」、東映が「大奥」、松竹が「武士の一分」と、みーんなスター映画なのは邦画活況の印かな。
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