見た日/1月某日 ★★★

宮崎あおいの繊細な演技が、2時間持たせるにはチトきついかな、という脚本を見事にカバー。その繊細な演技とお話のほころび、ダルさがマッチングして、やるせなさとせつなさに昇華した、稀有な作品になった、と思う。

三億円事件云々は映画のクライマックスではあるが、決して高揚にはなってない。激動の時代にあって、奥底に激しい焦燥感を抱える思春期の少女が、初恋の相手に対する思いの発露として、この事件の主犯になる過程がじっくり描かれる。

むしろ事件後に少女の感情はもっとも高まるのだが、この辺りは切ない。初恋の相手になる小出恵介もいい味を出している。宮崎あおいと宮崎将の本当の姉妹もいい。事件に協力する藤村俊二以外、大人、と言うより「権力側」は顔をはっきり見せない演出や、時代感を出す演出は効果があった。

時代を変えよう、権力を倒そう、という空気が若者に満ち満ちていた時代。今とは全く違う世相ではあるが、若者が抱く不安感や焦燥感、恋する感情は現代とそう変わりない。時代性をうまく捉えながら、普遍的な感情を、実際にあった事件に絡めて描いた意欲作だ。
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