ゲゲゲの鬼太郎  新作レビュー

見た日/4月28日 ★★★

 仕事で5/12公開の映画「俺は、君のためにこそ死ににいく」の公開記念パネル展を山口県下松市のショッピングセンターで催すことに。初日の28日、オープニング準備を終えて、ちょっと時間が開いたので「映画見るか」とセンター内のシネコンに行く。

 「バベル」と「ゲゲゲの鬼太郎」ともに初日で、どっちを見るか迷った挙句、「ゲゲゲの鬼太郎」にする。「バベル」は業務試写のご招待を頂いていたのに、見逃してしまい、ずっと見たかったのだけど、何となく重そうな感じがして、「ゲゲゲ」にしてしまった。ブラピさん、凛子さん、ごめんなさい。でも、絶対見るからね。

 で、「ゲゲゲ」だが、意外と面白く、楽しかった。原作(どちらかと言うとアニメ版)のテイストを損なわず、子どもたちから若者、お父さんお母さん世代まで、幅広い層が楽しめるGWらしい、ファミリー映画に仕上がっていた。これだけ知名度がある原作を、こういう風にある意味「王道的」に料理するのは大変だったろうが、最近の「釣りバカ日誌」シリーズなど、ホームコメディで腕を磨いてきた本木克英監督の手腕はなかなかのものだと思う。

 ネットニュースなどによると、初日の入りもよく、配給の松竹は興行収入30億円を視野に入れたらしい。日本の漫画は今、優秀なコンテンツとして世界的な評価を受け、映画の題材として注目をされている。日本映画の興行収入が回復し、ハリウッドに負けない娯楽作の製作が望まれている現状ともあいまって、この「ゲゲゲの鬼太郎」の出来栄えとヒットは、今後の方向性を決めるうえでも重要だと思う。

 ちょっと前なら、漫画の映画化は例え企画が通っても、製作者側の思い込みが激しくて、ヒットはしたものの原作とは全く別の世界観になってしまった「キャシャーン」や、映画自体が破綻した「デビルマン」など、悲惨なものもあった。しかし、ごくごく最近は、映画興行の好調とともに、マーケティングを踏まえたうえで、観客が求めている嗜好を抑えた漫画の映画化(「タッチ」や「NANA」、「ハチミツとクローバー」など)が続き、それがエンタテイメント要素たっぷりの「ゲゲゲ」でも踏襲されたことは大きい。

 あと、そういう安心できるイメージを踏襲したエンタテイメント性に加え、漫画を原作に、監督ら作り手の作家性も強く強調した「どろろ」が昨年ヒットしたことも大きい。これらの流れが、今後製作される「ヤッターマン」や「ガッチャマン」の成功につながることを祈りたい。

 さて、この「ゲゲゲ」だが、これが松竹の社員監督によるもの、というのも意義があると思う。本木監督がエンタテイメント作を作れることが証明できたことで、松竹は今後の製作できる作品の幅が大きく広がった。

 最近、松竹は意欲的だ。ちょっと前まで「釣りバカ日誌」しか自社製作がなかったのに、最近は自社製作にも意欲的だし、スタジオ製作の作品の配給も意欲的だ。キネマ旬報で山田洋次監督が「どうして松竹はフラガールみたいなものを作らないかな」と怒っていたが、そんな「天皇」の激にこたえているのか、本当にがんばっている。「ゲゲゲ」もそんな意欲の現れだろう。これまで東宝専門だったフジテレビと組んでいる点にも注目だ。

 ウエンツの鬼太郎は透明感があって、意外にもはまり役。猫娘役の田中麗奈はとってもチャーミングで、ミニスカとダンスシーンは必見。「夕凪〜」の七波と同一人物とは思えない。ほかの妖怪たちも、大物俳優たちが嬉々として演じているのが気持ちいい。

 そうそう、忘れてはならないのがねずみ男の大泉洋。この人の軽妙さはいい。先日、テレビのスペシャルドラマ版の「東京タワー」でこの人のシリアスな演技に感心したばかりなのだが、なかなかの両幅の広さ。もしかしたら、日本のジム・キャリーになれるかも?と思ってしまった。
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