香港映画マイベスト!  マイベスト

 久しぶりに、「マイベスト」を・・・。今回は、香港映画マイベストテン!!

  香港といえば、その昔、香港の映画館で「酔拳2」を見た。当時、日本ではまだ珍しかった完全入れ替え制で、窓口ではタッチパネルのように各席が空席かどうか電光掲示で色分けしてあって、好きな席を選べるようにしていた。今なら日本でもよく見るが、当時、これにはビックリ。中に入ると、トイレがスクリーンの下にあって、映画が始まっても、みんなお構いなくスクリーン下のトイレに行く。そして、皆、よく笑うのにも驚いた。広東語と英語の2つの字幕が出るのも、香港の映画館ならではだった。今ではずいぶん様子は違うだろうが、10数年前の貴重な経験だった。

 さて、こうして香港映画のマイベストを並べると、見事に80年代の作品が並ぶ。このころ、香港映画には猥雑なパワーがあふれていて、ハリウッドや日本映画に似ていようが似ていまいが、とにかく面白いものを!という作り手の気迫に満ちていた。


 アクションなど、役者はけがして当たり前、的な命知らずのメチャクチャさで、どうしようもないぐらいつまらないストーリー展開なのに、「こんな作品に命を賭けるの?」的なギャップ感がたまらなかった。

 今の香港に、そのパワーがないのは残念だが。それでは行きましょう!!

1,「誰かがあなたを愛してる」(1988)

●「宋家の三姉妹」で知られる、メイベル・チャン監督のデビュー作。秋のニューヨークを舞台に、3人の香港人のすれ違いと恋模様を瑞々しく描く、ラブ・ストーリーの大傑作。とにかくこれが泣ける。チョウ・ユンファ、チェリー・チェンの演技もベスト。O・ヘンリーの短編を思わせる後半の展開はベタだが、全体的に演出も繊細で、異郷で暮らし、心細さを感じている男女同士が、惹かれあっているのに、心の何かが引っ掛かって踏み出せない切なさが胸に迫る。僕にとっては全てのラブ・ストーリー映画の中でもこれがベスト。余韻が残るラストがよく、テーマ曲も美しい。とくに恋に悩む女性の方、必見!です。

2,「狼〜男たちの挽歌・最終章」(1989)

●「男たちの挽歌」は衝撃だった。昔の日本の日活アクションに、フランスのフィルムノワールとサム・ペキンパー的な暴力描写のテイストをふりかけ、そこに深作欣二的な味付けをしながら、香港映画でしか成し得ない、ベタベタな展開を見せた大傑作だった。その後、ジョン・ウー監督はさらに進化を続け、この「狼」で頂点を見せる。スローモーションを多用した映像美、スタイリッシュなアクション、緊迫した物語展開、しかしながらそこに漂うユーモア・・・。香港時代の頂点と言っていいと思う。この映画がタランティーノら世界の映画人に与えた影響は大だと思うが、この作品が全米で評価され、ジョン・ウーがハリウッドに進出し、この「狼」テイストで傑作「フェイス/オフ」を生み出したことも記憶に鮮やか。この映画でもチョゥ・ユンファは実にカッコいい。

3,「ポリス・ストーリー香港国際警察」(1985)

●僕は、尊敬する人物は?と聞かれたら、迷わず「ジャッキー・チェンです」と答えている。そのぐらいジャッキーはすごい。命を賭けて、肉体をどうアクロバティックに動かし、フィルムに焼き付ければ、映画館で人は驚き、喜んでくれるのか。彼はその一点を長年考え続け、追及してきた。そういう意味では、バスター・キートンやチャップリンの後継者、と言ってもいいのではないか。ハリウッドで大成功しながらも、保険の契約やユニオンによる労働条件の制限など、制約が多く、生身での危険なアクションを嫌うハリウッドは水が合わないのか、近年、またまた香港で映画を作り続けているのも、ジャッキーらしい。ジャッキーの代表作と言えば巷では「プロジェクトA」シリーズだが、僕は「ポリス・ストーリー」シリーズが大好き。シャープなアクション、ヒロインのマギー・チャンの可愛さなど、このシリーズは魅力大。特にこの一作目は目玉が飛び出そうなアクションが続く、正に世界でも類を見ないアクション映画の金字塔と言っていい。車でスラム街のど真ん中を突っ切り、タイミングを図って人々がどんどん飛んで行く様は、人類が宇宙を飛ぶのと同じくらいすごい偉業だと思う。ジャッキーよ永遠なれ!!

4,「北京オペラブルース」(1986)

●「香港のスピルバーグ」と称される、ツイ・ハーク監督による大傑作。アメリカで修行したというだけあって、ツイ・ハーク監督の映画にはこれまでにないスピード感があり、ワイヤーアクションを取り入れたことでも革命的だ。この監督の作品は「天空の剣」「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ天地大乱」から近年の「セブン・ソード」に至るまで、本当に面白いものが多いが、この北京オペラブルースは、彼の活劇にこだわる演出と人間ドラマが見事に融合している。辛亥革命後の中国を舞台に、それぞれが個性あふれる3人のヒロインの活躍を描く。「君の名は」を思わせる、すれ違いの連続がスリルと笑いを誘う。活劇も見事な快作!「誰かが・・・」のチェリー・チェンが可愛い。

5,「ポリス・ストーリー3」(1992)

●物語はちょっと殺伐としてはいるものの、アクションの質、という意味ではシリーズ最高峰。結婚、離婚を経て、この作品で復帰したミッシェル・キング姉さんが、ジャッキー顔負けの捨て身アクションを見せる!走っている汽車の上にバイクで飛び乗るなんざ、人類が宇宙を飛ぶのと同じくらいすごい偉業と思う。姉さんはこのあと007でミッシェル・ヨーとなり、ハリウッドデビュー。「SAYURI」「サンシャイン2057」となるものの、あちらでもアクションしてほしいな。

6,「香港国際警察」(2004)

●唯一の、21世紀に入っての作品。ジャッキーが3本もランク・インしたのは、何だかんだ言っても彼が香港映画を通して世界の映画界に果たしたものは大きい、と言えるかも。この映画は泣けるアクション!って言うのが強み。年齢を重ねたジャッキーが、若手に見せ場をあるていど譲ったのも特筆。随所随所に「ポリス・ストーリー」で披露したアクションへの再挑戦、グレードアップが見られ、彼の原点回帰とも言える作品。

7,「ドラゴンへの道」(1975)

●唯一の、70年代作品。ブルース・リーはやはり偉大。彼なくして、香港映画もジャッキーもなかった訳だから。香港時代の映画で、これが一番アクションの切れもよく、ストーリーも面白いのでは?ブルース・リーが主演、脚本、監督など5役を担当し、ローマロケなど話題も大きかった。ダブルヌンチャクは今見てもしびれる。ラスト、コロシアムでのチャック・ノリスとの死闘は今や伝説の決闘シーンだ。

8,「七小福」(1989)

●ジャッキー・チェン、ユン・ピョウ、サモハン・キンポーの少年時代を描いた異色の作品。彼らは同じ京劇学院の出身で、その学院での生活を描いた。これもジャッキー絡みではあるが、この映画はいわば香港版スタンド・バイ・ミー。子どもたちの悩みや憧れ、成長が見事に描かれた秀作。3人を演じる子役が今の彼らを彷彿とさせる顔立ちなのがすごい。

9,「今すぐ抱きしめたい」(1988)

●香港の大スター、アンディ・ラウ若き日の作品にして香港ニューウェーブの巨匠、ウォン・カーウァイの初期作。内容は若いチンピラを主人公にした、Vシネマのようなものなのだが、ハっとさせるショットが多く、このあとに続く「恋する惑星」「欲望の翼」につながる映像の冴えはこの段階で見える。評価はこのあとの作品の方が高いが、主人公に感情移入できるし、僕はこの映画が彼の監督作の中でいちばん好きだ。

10,「天山回廊」(1987)

●当時の中国・香港合作。ストーリーはないようなもので、シルクロードの観光映画のようなものだが、とにかくラスト近くのアクションがものすごい。街を燃やしまくり爆発しまくり、ついでに人間も燃えて燃やしてびゅんびゅん飛ばしてしまえ!!!という映画。これで死者は出てないのであろうか!?この映画の出来栄えこそ、人類が宇宙に行くのと同じくらいすごいことだと思う。


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