天然コケッコー  DVD・ビデオレビュー

見た日/12月某日 ★★★★

非常に評価が高い作品だったので期待して見た。

「サイドカーに犬」のあとにすぐ見たので、余計そう思ったのかもしれないが、両作品とも同じように普通の人々の日常を淡々と描きながら、非常に対照的だな、と思った。

「サイドカーに犬」は、ドラマとして安心して見られた、という感じだったのだが、この「天然コケッコー」は、上手く表現するのは難しいが・・・何と言うか、作り手が出演者の中学生たちと、同じ皮膚感覚で撮影しているような感じがして、ある意味ドキュメンタリーのようなドキドキ感が最初から最後まで貫かれた感じの作品だった。

でもカメラは冷静で、いつも引き絵が多く、アップが少ない。山下敦弘監督の作品は他もそうだが、どこか冷めていて、映画そのものを客観視している感がある。

それなのに物語で展開されるひとつひとつのエピソードは登場人物たちの感情もきちんと伝わってくるから、これはこの監督さんの大きな特徴であり、真骨頂だろう。

この映画も、ヒロインの夏帆が演技力、存在感とも抜群で、まさに「天然」の世界をグイグイと引っ張っていく。

独特のテンポ感は嫌いではないが、正直、多少自分の生理と合わないな、と思う部分もあった。しかしそれをカバーするだけのヒロイン以外の少年少女たち、その家族たちの自然な存在感と雰囲気は特筆すべきものがある。

あと、この監督さん、季節や自然の描写が上手い。環境が登場人物たちに与える影響もまたこの映画のひとつのポイントだが、その点でも成功していると思う。残念ながら劇場では見れなかったが、是非、映画館で見たい一本だった。

0



コメントを書く


名前
メールアドレス
コメント本文(1000文字まで)
URL





AutoPage最新お知らせ