チャーリー・ウィルソンズ・ウォー  新作レビュー

見た日/5月某日 ★★★

※注意!!気をつけてはいますが、やむを得ずクライマックスの展開にふれています。未見の方、ご注意ください!!

コメディかと思いきや、かなりキョーレツな政治映画で、面白い。

ただし、これは80年代の冷戦時代から90年代にかけての共産主義崩壊に至る世界情勢、宗教情勢などを少しは分かってないと、かなり辛い映画ではある。

ソ連がアフガニスタンに侵攻したニュースを見て関心を持ったアメリカ下院議員のウィルソンが、大富豪で美人のマダムに頼まれ、アフガンに武器を流すための予算捻出をする、というお話。

ソ連のアフガン撤退にたった1人の国会議員の尽力が大きかったという「実は話」。それがやがてソ連崩壊のきっかけとなり、冷戦終結につながったのだが、そこはハリウッドでもリベラル派で知られるトム・ハンクス&ジュリア・ロバーツなので、しっかりアフガンへの支援がやがてあの事件につながった、というニュアンスも忘れない。

ソ連に知られず、アフガン紛争にアメリカが関与するため、ウィルソンは曲者のCIA諜報部員とともに、いろいろ国際的な仕掛けをするのだが、この辺りは各国の宗教勢力を知っておくと、抜群に面白い。

見ている側の知識に訴えながらも、映画自体はコメディタッチで、そのバランスもよい。ウィルソン自体は女好きの、ちょっとだらしないおじさんで、映画の中でも酒ばっかり飲んでいる。

国会の事務所のスタッフはセクシーな美女ばかりで、それでいて切れ者揃い。これが実話というから驚くが、このコンセプトが、あの「チャーリーズ・エンジェル」のモデルになったというから驚く。

映画でも、ウィルソンと怪しげなテレビプロデューサーとの関係が出てきて、サンフランシスコ版「ダラス」を作るとかなんとか、という話をしているのが可笑しい。「ダラス」なんて、懐かしいなあ、と思ってしまった。

ウィルソンが難民キャンプを視察する場面など、なかなかの迫力で、彼のアップからカメラが引くと、無数のテントが広がるシーンは圧巻。ここをしっかり描かないと、なぜ彼がリスクを犯してアフガンに入れ込むか分からないだけに、演出にも力が入っている。

CIAの会議室でモニター画面を見ながらウイルソンやCIAの職員たちが喝采をあげるシーンは、まるでゲームのようでもある。ソ連兵をかなりひどいバカ扱いにしている点も、少し気になる。リベラルに描きながらも「アメリカ万歳!」的な描写になるのは仕方ないだろう。

さて、ウィルソンたちは人道支援のつもりで頑張ったにしても、結果的にアフガンでの戦闘は冷戦下におけるソ連とアメリカの代理戦争になってしまった。その後、人道的なフォローをウィルソン達ができなかった代償があの事件にあったことを示唆するラストは皮肉でもあり、様々なことを考えさせる。

ちょっぴりだらしないトム・ハンクスがいい。「スプラッシュ」や「プリティ・リーグ」を思い出した。あと、ジュリア・ロバーツはずいぶんオバチャンになった、と思った。ウィルソンの秘書役のエイミー・アダムスが可愛い!!

星は、3つか4つかかなり悩んで、3つ。
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