ゲゲゲの鬼太郎 千年呪い歌  新作レビュー

見た日/7月某日 ★★★

「崖の上のポニョ」は人魚姫をモチーフにしている、とのことだが、何と、この作品も「人魚姫」がモチーフだった!

ポニョは明るく楽しいが、こちらは人魚姫というお話が持つ物悲しさがきちんとあって、後半に効いてくるこのエピソードは意外にもきっちりと泣かせてくれる。

水木しげる先生の描く妖怪漫画は、妖怪=自然という思想が根底にあるように思う。必ず人間の欲望の残酷さが描かれ、妖怪はそんな人間たちが許せないのだ。

人間の汚ない欲望を己の私欲のために使おうとする半分人間、半分妖怪のねずみ男はまだ可愛らしくもあり、実は「人間」こそが真の妖怪であることを、水木先生は教えてくれているように思う。

そうした中で、人間でも妖怪でもない幽霊族最後の生き残りである鬼太郎が、なぜ、自分の種族を滅ぼした人間を守るのか。これは原作でも大きなテーマなのだが、この映画は、バラエティ色が強かった前作を反省したのか、鬼太郎の出生の秘密を含め、原作が持つテーマ性や雰囲気を上手に実写映画化していて、ちょっと感心した。

ただ、ヒロインの扱い方が少々いい加減で、途中、だれるところもある。もう少しスピーディーな演出と物語運びにこだわってくれたら、結構な傑作になったのでは、とも思う。

人魚姫=濡れ女のエピソードは泣けるし、寺島しのぶの人魚姫は反則みたいなところもあるが、これは確心犯だろう。しかし、確かに真夜中、夜道に寺島しのぶが出てきたら、これは怖い。確かに怖い。
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