地球が静止する日  新作レビュー

★★ 見た日/1月某日

これ、「ウエスト・サイド物語」の巨匠・ロバート・ワイズ監督の名作「地球の静止する日」のリメイクなのだが、まったくグダグダのSF映画で、正直ガックリだった。

前半はそれなりに面白い。正体不明の球体が地球に接近する。着陸地点はニューヨークで、時間はもはやない。全米からあらゆる分野の専門家が緊急に招集されるものの、球体は地球に衝突してしまうのか…というオープニングの展開にはワクワクさせられた。

そして、球体がセントラルパークに着陸し、そこから出てきた生物を人類が射撃してしまい、収容すると中身は普通の人間と同じ組織を持った宇宙人で、じつはその宇宙人は、宇宙社会を代表し、地球環境を破壊しようとしている人類を滅ぼすかどうか、判断するために地球にやってきたのだった。米軍はその宇宙人を尋問しようとするが、美貌の博士がその逃亡を助けて…という展開も、面白い。

でも、そこからグダグダになるんだな、これが。宇宙人が地球人とふれあい、そこから結論を判断する、というのは確かオリジナルと同じ展開だったとは思うが、その判断をする理由が、あまりに甘すぎる。

それに、攻撃的な地球人の態度に怒った宇宙人側の攻撃方法が、ちょっとショボい。おいおいゴ●●●かよ、みたいな。もっとスケール感のある攻撃しろよ、とツッコミもしたくなる。オリジナルでは、確か報復で時間を止めて世界中がパニックになるのだが、このリメイク版で「地球が静止する」のは、ちょっと意外な形で、「これじゃあ、静止じゃないじゃん」とまたまたツッコミたくなる。

この映画は、アメリカではホリデーシーズンに家族で楽しめるファミリームービーとして製作されたということだが、それにしても、原作が持つテーマ性を生かせば、もっと深くて面白いSF映画になったろうに、本当に残念。オリジナルでは、米ソの冷戦がベースがあって、そのときはいつ戦争を起こして地球を破壊しかねない人類に宇宙人は警告したのだが、今回はそこら辺を環境問題に転嫁していて、そこも今回は正直、掘り下げてない。

ちょっと意地悪いことばかり書いてきたが、女性博士役のジェニファー・コネリーが美しいのと、ウィル・スミスの息子が好演していたのと、オリジナルに出てきたSFファンには伝説になっているロボット「ゴート」がオリジナルそのままのデザインだったことに敬意を表し、前半は面白かったので、ゆるしてあげましよう。
0



コメントを書く


名前
メールアドレス
コメント本文(1000文字まで)
URL





AutoPage最新お知らせ