252 〜生存者あり〜  新作レビュー

見た日/1月某日 ★★

うーむ…。正直、困ってしまった…。でも、退屈はしなかった。ディザスター・ムービーとしては、昨今の日本映画の中ではよく出来ている。

前半の特撮シーンは、合格!!これは必見。実写とCGの合成も違和感がなく、後半に大活躍するオープンセットも迫力ある仕上がり。

とくに、巨大なヒョウが降って来るシーンや、新橋駅が陥没するシーンなどは、ハリウッドの一連のディザスター・ムービーと比べても全く遜色ない。

おだやかな天気だったのに、モーレツな台風と津波が突如襲う理由も、まあ大ウソなんだろうが、結構、説得力があった。前半の気象庁でのやり取りなどはかなり面白く興味深かった。

この辺りの理屈をもっと生かし、そのあとのストーリーを練り上げればよかったのだが、そこからがいけない。あり得ない偶然の積み重ねによって家族同士が助け合う、非常にスケールの小さな救出劇に終始してしまい、ガックリもいいとこなのだ。

新橋駅に埋まってしまった主人公が元レスキュー隊員で、助けるのはレスキュー隊長のその兄。おまけに気象庁もレスキューの前線本部もなぜか新橋駅のまん前のホテル。他にも相当な被害が出ているはずだし、そんな描写もあるのに、物語の中ごろから、何故かそこしか焦点にならない。

主人公とともに生き残った中小企業の社長、医者になることに懐疑的になっている研修医、韓国人ホステスなどのキャラクターも、それぞれ背景になっている人生が描かれてはいくものの、ここのエピソードもあまりに特殊でできすぎ。俳優さんたちは皆頑張ってはいるのだが、もう少し、普通の人が巻き込まれていくような展開にすれば、もっと感情移入できるだろうに、と思ってしまう。

台風の目に入ってしまう、わずかの時間にしか救助できない、というサスペンスが後半の盛り上がりになるのだが、ここも、そのあとの展開が、大爆笑のあり得ないものになってしまうので、折角のクライマックス?になってしまう。

あと、レスキュー隊員たちは情に流されまくりで、こんな隊員たちに助けてほしくないな、と思っちゃう。

まあ、ぜいたくにいろいろな要素をぶち込んだ結果なのだろうが、演出も物語もなかなか盛り上がらない。どうも全編を貫く「真面目さ」がくそ真面目になってしまっていて、失敗しているような気もする。

主人公が同じ俳優で、救助物ということで、どうしても「海猿」シリーズと比べてしまうが、あり得ない展開や設定ながらも、ハリウッド的なデフォルメと緊迫感あふれるカット割で「見せてくれた」あちらの方に軍配が上がる。でも、特撮シーンは、何度も言うが、よくできている。

フジテレビが水没するシーンはご愛敬だろう。

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