映画 ドラえもん 新・のび太の宇宙開拓史  新作レビュー

観た日 4月某日 ★★★

たくさんの親子連れに混じって、1人で鑑賞。一応、「ドラえもん」大ファンの息子、娘がいるのに・・・である。子どもたちには内緒だ。

ベストセラー作家、真保裕一氏が「新・魔界大冒険」に続いて脚本を担当している。

リニューアルして初のオリジナル作品となった前作「緑の巨人伝」は、環境問題へのメッセージ性にこだわり過ぎてしまい、ドラえもんやのび太たちが物語から脱落してしまい、ストーリー展開も破綻するなど、正直、キツイ出来だった。

今回はそれを反省したのか、旧シリーズ最高傑作と謳われた「宇宙開拓史」をリメイクしてきて、ストーリーテリングではプロ中のプロである真保氏を起用するなど、製作陣の意気込みが感じられる。

「ホワイトアウト」などで知られる真保氏だが、かつて「ドラえもん」「クレヨンしんちゃん」を製作しているシンエイ動画の社員だったそうで、ドラえもんの劇場映画の脚本を担当することは彼自身の「恩返し」というから、いい話だ。

ところで、シンエイ動画の前身は「Aプロダクション」というアニメーション製作スタジオで、かの宮崎駿監督や伝説のアニメーター、大塚康生氏なども一時在籍し、「ルパン三世」旧シリーズなどを作っていた。

伝統ある会社だが、「ドラえもん」「しんちゃん」など、子どもに根ざしながら、良質な娯楽作品を作り続けている、という印象がある。

さて、今回のリメイク作品だが、さすがに真保氏を脚本に起用しているだけに、物語の展開はなかなかスリリングで面白い。

前作で出てきたコーヤコーヤ星に対する星、トカイトカイ星を登場させず、コーヤコーヤの中に町がある設定にしたり、オリジナルキャラクターとして、モリーナとその父、バーンズ博士を重要な役で登場させるなど、前作を大胆に変えた部分もある。

それでいて、藤子・F・不二雄先生描いたところの原作にはありながら、恐らく前作では子ども向けという配慮でカットされた、のび太とギラーミンの射撃の一騎打ちのクライマックスが、このリメイク版ではきちんと描かれている。

僕は藤子先生が描いた映画原作の「大長編ドラえもん」が大好きで、全て原作本を買い揃えていたが、傑作揃いの作品群の中でも、この「宇宙開拓史」が最も好きで、一番の傑作だと思っている。

もともとこの作品は、「シェーン」など、藤子先生の西部劇へのオマージュから描かれたものだそうだが、そういう意味では、原作のテイストを生かしながら、楽しめる物語に仕上がっている。

ちょっぴり不満なのは作画で、「のび太の恐竜2006」に比べて作画レベルが下がっているように思ったのは僕だけだろうか。それから、映画版ではあっても、テレビシリーズとあまり絵柄を変えない方がいいのでは、とも思ってしまった。

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