スター・トレック  新作レビュー

スター・トレック
観た日 5月某日 ★★★★

いやあ…JJエイブラハムさん、やってくれました。

恐らく、日本ではSF物、宇宙物は一部を除いてなかなかヒットしないし、このシリーズも長くやってマンネリ気味だったから、厳しいだろうな、と思いつつも、テレビドラマ「LOST」や「クローバーフィールド/HAKAISHA」のエイブラハム監督が手がけ、本国での評判も上々と聞けば、SF者の僕としては、こりゃあ観に行かなきゃなるまい、と公開初日の初回、早速行ってきた。

どえらく面白い、一本である。スペースオペラ(最近はこういう言い方はしないか…)でこれほど血沸き、肉躍ったのは、久しぶりだ。

「スター・トレック」シリーズは全世界にトレッキーという熱狂的なファンがいるが、僕は正直、このシリーズを一応は観てはいるものの、そんなに熱心なファンではない。

テレビシリーズのオリジナルキャストが出演していた劇場版は全作観ていて、とくにエンタープライズ号のクルーたちが、未来を救うため、絶滅したクジラを求めて現代にタイムスリップする「スター・トレック4/故郷への長い道」は傑作だし、オリジナルキャスト版の最終作となった「スター・トレック6/未知の世界」は面白かった。

しかし、他の作品は、正直、駄作ではないか、と思えるものもあったし、キャストを一新した新シリーズは何作か観たがどうも乗れず、少し斜め見していたのは事実なのだ。

それが、この新作は、実に面白くてエキサイティング。テレビシリーズ、映画で展開してきたお話の以前、カーク船長の若かりし頃を描いたのが今回。いわゆる最近流行りの、昔の作品はそれとして、ひとまず置いて新たに生まれ変わらせる、というパターンだ。

シリーズのツボや約束事をしっかりと押さえながらも、物語展開の妙やスピーディーさ、SFXの凄さという点では、正直、このシリーズのこれまでの映画版を遥かに凌駕している。このパターンで成功したのは、最近では007シリーズの「カジノ・ロワイアル」だろう。あの作品も、ショーン・コネリーの傑作群はそれとして、見事に007が持つ本来の面白さを現代に蘇らせた傑作だった。

カークの父親が艦長を務める宇宙船が突然、謎の宇宙船に襲われ、その最中にカークが誕生する、というプロローグからして観客を引きつける。そこからカークがエンタープライズに乗るまでの話が展開していくが、おなじみのクルーやエピソードを交えながらも、初めてこのシリーズを観る人にも分かるようになっている。

成長物語としても、優れた戦争映画によく見られるひとつのシミュレーション映画としてもよくできていて、先が読めず、ハラハラドキドキさせてくれる。元祖スポックのレナード・ニモイが重要な役で出てくるのも嬉しい。

で、僕はオープニングからあのテーマ曲が出ないことに不満だったのだが、ラストに…。やられました。涙線大爆発。エンドロールで大号泣したのでした。

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