サマーウオーズ  新作レビュー

観た日/9月某日 ★★★★★

前作「時をかける少女」も傑作だったが、細田守監督、またまたやってくれた。

オリジナル性あふれる独特な感性と、アニメならではの表現。そして、リアルでいてどこかファンタジックな、それでいて胸を熱くさせる物語展開。これは、日本のアニメ表現の頂点のひとつだろう。

アニメーション映画は、絵だからこそ、逆にリアルにできる部分がある。描き込めるアニメだからこそ、のリアリティというものがあると思う。

数学は得意だがちょっとのんびりした感がある高校生が、憧れの先輩の田舎で体験する、不思議なアドベンチャー。現実を管理する仮想世界で起きたトラブル。その問題を解決するため、先輩の大家族に勇気をもらった高校生が立ち向かう。

この映画のテーマは「家族の絆」である。描かれているバーチャル世界と「家族の絆」はずいぶんかけ離れているようにも思うが、実はデジタル社会の今だからこそ、人と人との「絆」は大切なのだ、と語りかけている、とも読める。

どんなにテクノロジーが発展したとしても、現実世界を仮想世界がコントロールするような世の中になったとしても、結局、技術を使うのは「人」である。「人」の「心」がしっかりしていれば、決して人間がマシンに支配されることはない。

デジタル社会だからこそ起こりうる現代的・未来的なトラブルに、日本情緒もたっぷりな、田舎の大家族が挑むという、荒唐無稽な中にも芯が一本通った物語が心地いい。

パソコンなき社会・仕事は考えられない現代。デジタル社会を受け入れることができても、使う人間の心がぶれなければ、過多な情報にあふれていても、生きていけるのだ、という作り手の熱いメッセージが込められているようにも思う。
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