私の中のあなた  新作レビュー

私の中のあなた
★★★★★

いわゆる難病物なのだけれど、この映画がいいのは、重い病気になった長女に対する家族それぞれの想いが丁寧に描かれていくところにある。

・・・だが、昨今の日本映画のように、その想いをダラダラと台詞で喋ったりはしない。背景や気持ちを説明するセリフはもちろんあるが、過剰な表現はない。

ドラマ部分の間に、印象的なモンタージュ・シーンが繰り返し入る。でも、そこが見事なのだ。例えば、病気の長女を想うものの、あまり自分のことを理解してもらえない発達障がいを抱える長男が、ただ街をさすらうシーンがある。

音楽が流れる中、セリフもなく、その長男は街をさすらうのだが、その長男の表情で、観客は全ての感情が理解できるのである。

僕自身、発達障がいの当事者でもあるので、この長男の気持ちは分かる。自分自身が成長するためには、両親の理解とサポートが第一ではあるが、最愛の姉のため、自分どころではない両親の想いが痛いほどわかるだけに、この気持ちは辛い。

しっかりとした芝居の合間に、そんなそれぞれの家族が思い悩む象徴的なシーンが効果を上げていて、この映画は、苦しむ家族1人1人が置かれた状況にそれぞれ感情移入できる。

そして、徹底したリアルさ。日々、病気に衰えながらも、懸命に家族に何かを伝えようとする長女役は見事。髪の毛が抜け落ちた娘のため、さり気なく坊主頭になるキャメロン・ディアス、仕事をこなしながら、家族を気にかける父親、みな、徹底した役づくりをしている様が伝わる。

物語の核は、姉のために臓器等を提供するために生まれてきた妹が、今後、臓器や血液などを提供しない決意をして弁護士を通し、両親を訴える、というところにある。

だが、映画は弁護士でもある母親と娘の法廷シーンもありはするものの、その「骨肉の争い」はあえて重要視せず、それぞれの「病気の家族」を守るため、自分の在り方を求めていく様をじっくり描く。

その果てに、病気でやがてこの世を去っていく長女の想いが明らかとなり、残された母と娘がそこから導き出した結論を知ったとき、不思議とさわやかな気持ちになるのだ。

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2010/2/20  6:27

投稿者:マニィ

仲間達のFさま、コメントありがとうございます!

このレビューをご覧になってレンタルされたとのこと。とっても嬉しいです!!

この映画の原題は、「マイ・シスターズ・キーピング」、直訳すると「私の姉の代替え」、というところでしょうか。

確かに、僕も「あなた」というのが引っ掛かりました。原題も邦題も妹目線ですが、妹が姉のことを「あなた」とは言わないだろうなあ、と。

姉役、素晴らしかったですねー。ソフィア・ヴァジリーヴァさんという女優さんですが、大注目ですね。そのドラマ、僕も見てみます。

2010/2/19  13:01

投稿者:仲間達のF

劇場では未見でしたのでDVDにて鑑賞いたしました。事前情報が私には何もなく、マニィさんのレビューを見てレンタルいたしました。内容は実話なのでしょうか?あまりにも素晴らしい出色の出来映え!!!五つ星ですね。俳優たちがお芝居をしている感覚がなく、ドキュメンタリーを観ているような錯覚に陥ります。長女の難病に家族一人一人が一生懸命に向かい合う姿に溢れる涙を堪えきれませんでした。ただ観終わってからふと考えると、長女の為にあそこまでしてしまう親って本当にいるのかしら?私には理解不能でした。うちのカミさんも大好きなテレビシリーズ「『ミディアム』アリソン デュボア」の長女が、劇中の難病の長女を大好演!これからも彼女を夫婦で応援いたさせていただきます。追伸 邦題のつけかたに問題ありですよね?ありきたりなタイトルの為に内容の素晴らしさをアピール出来ていないと考えるのは私だけでしょうか??

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