2012  新作レビュー

★★★

ローランド・エメリッヒ監督、特撮は凄いが、相変わらず人物描写は甘い。

なんでこの監督さん、人を描くときは、リアルにせず、オーバーな設定であり得ない演出をするのだろうか。

まあ、この映画は過去作品に比べればまともだが、運転手で作家(!)という、凄い設定の主人公が仕えるのはロシア系マフィア。おまけに太った双子の男の子の父親で、思った通りのギャグチックなセリフや動きをしてくれる。

どんな危機にも絶対に死なない主人公のスーパーマンぶりはよいとして、感情移入しやすい登場人物を、物語のクライマックスであっさりと●●しちゃったり…。相変わらず、てんこ盛りどんぶりのエメリッヒ節は健在である。

しかし、今回はいつも尻つぼみになるエメリッヒ印のパニック映画とちょっと違う。

「インディペンデンスデイ」では、地球上の各地に巨大なUFOが出現する、というわくわくする出だしを見せながら、最後は何と、マックのウィルスでUFOを破壊する、という驚愕の展開に加え、ウィル・スミスがグーパンチで宇宙人を倒すという神をも恐れぬ衝撃のシーンにはポップコーンをほおばりながら悶絶したものだが、今回は最後まで手に汗握るのだ!!

人物描写が甘いゆえに、胃が痛くなるようなことは絶対にないものの、よくできた特撮と、絶体絶命の危機をすり抜けていくシーンの出来栄えがよいので、この手の大作パニック映画では、近年でもなかなかのレベルに仕上がっている。

でも、ラスト近く、人類を救う箱舟が、メイド・イン・●●というオチに、「やっぱりエメリッヒ印!」と僕は拍手喝采を送るのだった。頼むからエメリッヒ監督、真面目な映画なんか見向きもせず、これからも「お馬鹿大味SF大作映画道」を極めてほしい。

ちなみに、世界中のファンから不評なエメリッヒ監督のハリウッド版「ゴジラ」だが、僕はこの映画、生物としての「怪獣」を描いた作品としては、ベストに近い、と高く評価している。ただし、人物描写は相変わらずのアマアマだが…。

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