仁義なき戦い  名作・傑作を語ろう!

 このカテゴリでは、僕が大好きな名作・傑作を取り上げたいと思います。皆さんのその作品に対する思い出や意見もどしどし聞かせてくたざいね。

 で、第1回は深作欣二監督作「仁義なき戦い」!

 津島利章作曲のテーマ曲は、布袋さんにアレンジされ、クラブでもかかっているぐらいメジャーになっちゃった。あの甲高いトランペットのチープなメロディーに、原爆雲の画像、そして小池朝雄のナレーションが流れてきただけで、背中がゾクゾクする、バイオレンス映画の最高傑作だと思う。

 このシリーズ、ものすごくたくさんある。ちなみに深作監督作品は最初の「仁義なき戦い」以降、「仁義なき戦い 広島死闘篇」「仁義なき戦い 代理戦争」「仁義なき戦い 頂上作戦」「仁義なき戦い 完結篇」「新仁義なき戦い」「新仁義なき戦い 組長の首」「新仁義なき戦い 組長最後の日」と8本で、他に工藤栄一監督作もあるし、阪本順治監督のリメイク作もある。

 でも、こずるい金子信雄扮する親分の山守組の成立、分裂、抗争を描く本来の“仁義なき戦い”は第1作から広島死闘篇、代理戦争、頂上作戦を経て、完結篇に到るまでの5本で、「新仁義なき戦い」は山守組が舞台ではあるが主人公の菅原文太アニイの名前がそれまでの広能できなく、世界観がちょっぴり違う。あとは出ている人は同じでも、舞台や設定は全然別のものだ。

 ファンの間では「広島死闘篇」の人気が高いが、シリーズ第1作はやはり、インパクトがあった。腕でも何でもぶった切る容赦ないヤクザの世界。手持ちカメラを駆使した、荒く、揺れる画面に展開するど迫力のアクションシーン。戦後間もない闇市の雰囲気、菅原文太や梅宮辰夫ら主役陣から脇役まで、役者たち全員のギラギラした顔、演技。そして子分でなくてもイライラする山守親分のズルさと脳髄に入ってくるようなイヤーな甲高い声…。

 とくに手持ちカメラを使ったアクションシーンは画期的。画面が安定しているとか何とかは関係なしに、画面が揺れまくるのだが、これが闇市のセットとも相乗効果をあげ、ドキュメンタリーのような様相を見せる。この手法はのちのちのジョン・ウー監督やタランティーノ監督に大きな影響を与えた。

 深作監督が描く「暴力」は、生前、監督を取材させていただいた時、少年時代に経験した戦争によって痛感した国家への無力感や、暴力は暴力しか生まないことへの怒りがベースになっている、と感じたことがある。

 この作品も凄まじいまでの男たちのエネルギーが描かれるが、殺伐とした時代に、平気で上も下も裏切る親分に対して「仁義もクソもあるかい」と切れまくり、暴力に走る広能たちを、深作監督は徹底して描いている。

 人間は優しいだけでなく、時折、底知れぬ暴力性を見せるものだ。実は誰もが持っている「人間の暴力性」を、リアルに描いているからこそ、この映画は傑作なのであり、時代を経ても色あせない魅力を持っているのだと思う。
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